
今回の書評は『ぜんぜん気にしない技術 家入一真森田正康著』だ。
本書は共著だが、このふたりは対象的な経歴の持ち主である。
森田正康
・家が小金持ち
・12歳で渡米、言葉が通じない生活
・学歴フェチ
・大学教授
家入一真
・家が貧乏
・最終学歴は中卒
・いじめに遭い、ひきこもる
・遅刻、ドタキャン常習犯
このふたりが気になった人は本書を手にとってみてほしい。
・いじめに遭っている、遭っていた人
・なかなか行動できない人
夢も希望もただの荷物

面白そうだなって思ったらやってみる 。気になったら手を出してみる 。つまずいてしまったらいったん身を引いて 、体勢を立て直した上で再度首を突っ込んでみる 。そうやって何かをはじめてみることのほうが 、夢を探すことよりも大切だと思う 。
ここで言っているのは、夢を持つことはダメじゃないがそれ以上にすぐ行動したりすぐに身を引く、ということが大事ということを言っている。
「やりたいことがない」ということを言う人がいるが、ただ安心するためだけに夢を持ったところで人生が成功するとは限らないということだ。
何が自分の人生を変えるかわからない。夢だと思っていたものを捨てたら、別の何かが見つかるかもしれない。
ただ、この生き方は案外難しい。夢はこれです、と盲目的になっているほうが楽かもしれない。その夢が叶うかどうかは関係なく……。
批判への向き合い方

大切なのは 、批判内容に耳を傾けるのではなく 、批判された事実と向き合うこと 。なぜ反対意見が来るのかという理由を考えたり 、批判者のバックボ ーンを推測したりと 、広い視野をもつことで相手への理解も深まり自分も冷静になれる 。反対の声に 「勝つ 」とか 「負ける 」といった優劣をつけるのではなく 、自分の判断の材料にすることが肝心 。
行動していれば批判はつきものだ。批判されない人は行動していない人だ。そういう人は周囲から見れば「いい人」ではなく「どうでもいい人」である。
批判されたとき、例えば相手の言葉が汚く言われたこちらが不快になるような場合、大事なのはその汚い言葉に注目するのではなく、批判内容に目を向けることが大事だ。
世の中には汚い言葉を使う人がまだまだたくさんいる。そういう人に振り回されないようにしなければならない。
そのためには言われた言葉ではなく何を言われたのか、内容について考えることが肝要だ。
逆に、とてもやさしい言葉で批判する人もいる。そのやさしい言葉に甘えるのではなく、その言葉の真意を捉えるクセをつけないと判断を見誤ることになるだろう。
世間はそこまで期待できたものじゃない

世間や人に下手に期待するから 、その期待に応えてもらえなかったときに 、裏切られたような気持ちになって冷たいと感じてしまう 。そうしたら最初から 、期待しないようにすればいいだけの話 。
私は基本的に人に期待しない。期待すると裏切られたときの気持ちの落差が大きく、精神的につらいからだ。期待しないことが冷たいととる人がいるが、そういった人はただ批判したいだけで実際人に期待していないことが多い。
もしくは私に対しても期待していないの? と言いたいのだろう。
自分の心を守るという観点で見ると、人に期待しないというのは大変有効だ。
ただ、人は人にどうしても期待してしまう生き物だ。だから期待をコントロールする術を身につけるといいだろう。場面によって期待度を変えるか、人によって期待度を変えるか。
それができれば、小さな出来事でも感謝を感じることができるはずだ。
ぜんぜん気にしない技術、おわりに
最後に本書のなかで紹介されていたアントニオ猪木氏の言葉を引用して締めるとしよう。
馬鹿になれ とことん馬鹿になれ
恥をかけ とことん恥をかけ
かいてかいて恥かいて裸になったら見えてくる 本当の自分が見えてくる
本当の自分も笑ってた それくらい馬鹿になれ
