【書評】みんな居場所がない『WE ARE LONELY,BUT NOT ALONE 佐渡島庸平著』を読んだ感想。孤独を感じるあなたにオススメの本。

『WE ARE LONELY,BUT NOT ALONEを書評するPANDA
 
パンダ
英語はわからん。日本語にしてくれ。

今回の書評は『WE ARE LONELY,BUT NOT ALONE 佐渡島庸平著』だ。

佐渡島氏は知っている人は多いと思うが、『君たちはどう生きるか』『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』などを仕掛けた敏腕編集者である。

本書のテーマは「孤独」。今まさに孤独を感じている人にオススメの書だ。

WE ARE LONELY,BUT NOT ALONEの意味「我々は孤独だが、一人ではない」

パンダ
宇宙兄弟、ああ、小栗旬な。

『宇宙兄弟 』の中にこんなセリフがある 。 「 W e a r e l o n e l y , b u t n o t a l o n e . 」このセリフは 、宇宙で一人漂う宇宙飛行士が発するものだ 。しかし 、たくさんの人間に囲まれていても 、 l o n e l yにはなる 。どうすれば 、 n o t a l o n eになれるのか 、コミュニティについて考えながら 、探りたいと思う 。

直訳すれば「我々は孤独だが、一人ではない」となる。宇宙飛行士が宇宙空間で発する言葉だが、これは現代社会に当てはまる言葉であろう。

宇宙空間のように人の肌に触れることのできない、ある意味閉鎖空間で孤独を感じるのは当たり前かもしれないが、現代社会も同様に孤独を感じるにはじゅうぶんな環境になってしまっている。

なぜだろう。

これだけSNSが広まり、いつでも誰かと連絡を取り合えるのに、それでも孤独を感じるのはなぜなのだろう。宇宙空間と違い、私たちのまわりには空気があるのだ。すぐ誰かに手が届くところにいるのに。

孤独を感じるのは情報量が爆発的に増えているから?

パンダ
情報は、爆発だ。

キ ーワ ードは 、情報の爆発と可視化だ 。情報量が圧倒的に増えているのは 、誰もが認識していると思うが 、ではどれくらい増えているのか ?総務省が発表しているデ ータによると 、 2 0 0 2年のインタ ーネット全体の情報量を 1 0とすると 、 2 0 2 0年は 6 0 0 0倍の 6万 。社会の中から 1冊の本を見つけてもらうのに 、 2 0 0 2年と 2 0 2 0年では 、難易度が全く違う 。情報が多すぎて 、ほぼ伝わらない 。

情報は爆発的に増えているらしい。たった20年弱でこの変化だ。私が注目したのは「1冊の本を見つけてもらうのに……、難易度が全く違う」のところだ。

それならば、書評ブログはある一定の役割を果たすことができるのではないか、と思った。

私が書評ブログを書く理由のひとつが、誰かの本探しの手助けになればいいということだが、それがこの本を読んで腑に落ちたというか、書評を書いていてよかったと思った。

まだまだこれからも書評は書き続けていこうと思っている。できることなら死ぬまで。

そのころには書評記事は何本になっているだろうか。1,000本だろうか、1万本だろうか。

誰かには届く、この想いは書評だけでなく、何をするにも大事な考え方であると改めて思った。

孤独を感じるのはオープンすぎるSNSが原因

パンダ
意味なくツイッター開いたりしてないか?

オ ープンすぎる S N Sは見なくていいものも見てしまう 。誰かが旅行に出かけたり 、美味しいものを食べたりしている様子を S N Sで見ると 、その人の生活がとてつもなくうらやましくなってしまう 。昨日の自分と今日の自分を比較するのではなく 、他人と自分を比較して 「オレはなんてつまらない人生を送っているのだ 」と感じることは 、無意味だ 。しかし 、 S N Sではそこから抜けられない 。

ツイッターを見ていればわかるが、例えばどこどこへ旅行へ行った、例えばだれだれと結婚した、例えば仮想通貨でいくら儲かった、例えば……、例をあげればキリがないが、SNSには格差を感じてしまうような本来は知らなくて済むようなことを知ってしまう仕組みになっているのだ。

一気に農耕時代に話を飛ばすと、村の中で生きているあいだはその村がすべてだ。朝起きて、畑仕事をし、夜になったら寝る、これが普通でありこれが幸せなのだ。

よその村で誰かが裕福な生活をしていようとそれを知るすべはない。まわりの人が同じように生きていれば人間はそれでじゅうぶん幸せを感じられる生き物なのだ。

しかし、現代はちがう。

ありとあらゆる情報を取得することができるため、嫌でも自分と他人の差を比較することになる。

投資で大儲けした人を知ってしまったら、貧乏である人は落ち込むだろう。

子どもと幸せそうにしているママを知ってしまったら、不妊治療で苦しんでいる人は落ち込むだろう。

ビジネスで成功している人を知ってしまったら、ビジネスで失敗して大借金を抱えた人は更に落ち込むだろう。

「知らぬが仏」とはよく言ったものだ。世の中には知らなくていいことはたくさんある。すべてを知ろうとすればそれは不幸への道を進んでいると言っても過言ではないだろう。

それでも現代人はSNSから離れては生きていけないだろう。

だから、たまにはSNSを休むべきだ。少しの時間でもいいからSNSを絶ち、自分の心に向き合う時間を作ったほうがいい。そのほうが絶対に幸せを感じることができると思う。

WE ARE LONELY,BUT NOT ALONE、おわりに

最後に、佐渡島氏が子どものことで実際に体験したことを紹介して締めるとしよう。

一部を切り取っても伝わらないし、ここがこの本を書く著者の原動力になったのではないか、とあくまで推察したので、少し長いが引用するとする。

自分も早熟だったが 、それ以上に長男は早熟で 、一人で黙々とたくさんの本を読んでいる 。頭の中には 、もう親にはうかがい知れない 、彼だけの世界がある 。 7歳になった頃から 、 「生きているのがつらい 」 「生まれてこないほうがよかった 」 、そんな言葉を長男が口にするようになった 。僕も中学 ・高校のときにはそんな気持ちになったが 、小学 1年生は早すぎる 。何があったのか 、どうしてそう思うのかを必死に聞く 。それで 、僕や妻が 、どれだけ長男が生まれてきてうれしいかを話すけれども 、そのことは彼の孤独を癒さない 。彼の孤独は 、早熟ゆえに社会と馴染まず 、自分の居場所がないと感じていることに起因している 。しぶしぶ行っていた学校だけれど 、ある日とうとう 、行きたくないと本格的に主張し始めた 。よく聞くと 、クラスメイトに嫌なことをされたらしい 。安全 ・安心について考えていた僕は 、長男の心理的な安全 ・安心が整うまで 、好きなだけ休めばいいと考えた 。一方 、妻は 、無理にでも学校へ行かせ続けることで 、長男が変化することを求めた 。それで 、登校を嫌がる息子を 、半ば引きずりながら学校へ連れていくことになった 。そんな妻の努力が 1ヶ月くらい経った頃だろうか 。妻から朝あった素敵な話を教えてもらった 。うなだれて 、体全体から行きたくないという気持ちが伝わる息子のところに 、一人の友達がやってきて 、 「一緒に行こうよ ! 」と手を引っぱってくれた 。すると 、もう一人友達がやってきて 、もう片方の手を引っぱり 、学校へと連れていってくれた 。重かった息子の足取りも 、すこし軽くなって 、学校へと行けた 。友達たちは 、息子の心の中にある葛藤を共有はしていない 。孤独は 、孤独のままだ 。息子はそれに自分で向き合い 、乗り越えていかなければならない 。でも 、息子は一人じゃないのだ 。手を引いてくれる仲間がいるのだ 。これが 、コミュニティの力で 、人を生かす力だと思った 。妻からその話を聞き 、僕の胸は熱くなった 。

パンダ
うう……(涙)。手を引っ張ってくれる存在は貴重だな。
WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 〜現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ〜 (NewsPicks Book)

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