
今回の書評は「伝え方が9割」だ。
伝えることが苦手な人におすすめの書だ。著者の佐々木氏自身も最初は伝えることが苦手だったらしい。だが技術を身につけることでうまく伝えることができるようになったとのこと。
著者が気付いた点は次の2点だ。
「伝え方にはシンプルな技術がある」
「感動的なコトバは、つくることができる」
伝え方には技術や法則がある

ここでは著者の心を動かした言葉をいくつか紹介している。
「考えるな、感じろ」
「死ぬことに意味を持つな。生きるんだ!」
「ちっちゃな本が、でかいこと言うじゃないか」
「別れることがなければ、めぐり逢うこともできない」
「マフィアが少年聖歌隊に見えるほどの巨悪組織」
「事件は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きてるんだ!!」
これらに共通していることは何かわかるだろうか。
それは、正反対の言葉を使っているということだ。
この法則に気づいた著者は、宝の発掘するかのように言葉を探しはじめたそうだ。著者はこう言っている。
心を動かすコトバはつくれる。
料理のレシピのように。
いちど知れば伝え方は一生あなたの武器になる

まずは、基本を身につける。その後は自分の工夫で、あなたらしい料理に変えていきましょう。アレンジの仕方もあなた独自のものができてくるでしょう。使えば使うほど磨いていくことができ、鋭くなっていくのが伝え方なのです。その腕は、料理をやめない限り、人とコミュニケーションをすることをやめない限り、あなたの一生の武器となります。
まずは意識して伝え方の技術を使うことでそれが自然に使えるにようになると著者は言っている。それは料理のように。
伝え方の技術を身につけるメリットは、どんな立場でも使えるということだ。仕事においてどんな部署や役職であっても伝えるということはするはず。パワハラでリストラ部屋に追いやられてさえいなければ。
家庭でも夫婦の会話、子どもとのコミュニケーションなどで伝える技術や役立つだろう。
恋愛においてもそうだ。むしろこの技術は恋愛にこそ使えるのでは、と思えるくらいだ。
資格をとるのもいいが、まずは伝え方を学んだほうがはるかにメリットがあると言えるだろう。
伝え方はどの国でもどの人種でも使える技術だ

言語が違っても、「サプライズ」があると人はドキドキします。
人種が違っても、「ギャップ」があると人は感動します。
地域が違っても、「赤裸裸」なものに人はひきこまれます。
国が違っても、「リピート」があれば記憶に残ります。
文化が違っても、「クライマックス」に注目します。
これは著者が「強い言葉をつくる5つの技術」として紹介したものだ。技術の詳細は本書を確認してほしい。
ここで紹介されている技術を見れば、ああ、あの言葉はそういった構造になっていたのか、と感心するだろう。大統領も小説家も様々な人が伝えるための技術を駆使しているのだ。
それをあなたが使わない手はない。
伝え方が9割、まとめ
最後に、著者の思いを表した一文を引用して締めるとしよう。さあ、これから誰に何を伝えに行こうか。
たったいま、あなたの生きているこの瞬間を輝かせるために、人の心を揺さぶるコトバを知っておいてほしい
