【書評】『天才を殺す凡人 北野唯我著』を読んだ感想。職場の人間関係に悩むすべての人へオススメの本。人生は配られたカードで勝負するしかない。

天才を殺す凡人を書評するPANDA
 
パンダ
天才が凡人に殺されるなんてことあるか?

今回の書評は『天才を殺す凡人 北野唯我著』だ。

北野氏は『転職の思考法』を書いた著者でもある。内容はこちらの書評を参考にしてほしい。

【書評】『転職の思考法 北野唯我著』を読んだ感想。会社を辞めるか残るかで悩む人にオススメ。辞める前に読まなければ必ず後悔する。

2018.06.20

本書も『転職の思考法』同様、ストーリー形式となっている。

主な登場人物は、ある企業で広報を務める「青野」と、犬の「ケン」だ。「ケン」は忠犬ハチ公の銅像が動き出したものだ。「?」と思った人もいるだろうが、このくだりは本書で確認してほしい。

イメージとしては、『夢をかなえるゾウ』を思い浮かべるといいだろう。悩みを抱える青年とそれを諭す者、という構成である。

読了後は心が晴れるようにスッキリとした気分になるだろう。

本書は仕事で次のようなことを思ったことがある人にオススメだ。

”こんなことを思った人にオススメ”
「なんで自分はあの人みたいに器用にできないのだろう」
「なぜ、言いたいことがうまく伝わらないのだろう」
「どうして人は理解してくれないのだろう」

北野唯我氏が『天才を殺す凡人』を書く理由

パンダ
忠犬ハチ公なのに、名前がケンってどういうこと?

ます、本書を書く理由について「あとがき」で著者がこう語っている。

「人の可能性を阻害するものに、憤りを感じるから」

北野氏は、今の世の中、チャレンジする人を邪魔したり足を引っ張ったりする人が非常に多いと嘆いているのだ。

いつの時代も人の足を引っ張る人は存在し、出る杭は打たれる、と言われ続けているのだろう。ただ、近年のインターネットやSNSの普及により、批判というものが簡単にできるようになっているように思う。

一昔前であれば、何か気に入らないことがあったとしても、胸の内に秘めてはいるが外には出さないということが多かったのだろう。それが正しいかどうかはわからないが、現代のように指先を少し動かすだけで批判できてしまうのも正しいとは言えないと思う。

だが、この社会の仕組みは一個人ではどうにもできない。これから更に人と人はつながりやすくなるだろう。そのときに人は、スマホの画面ではなく生身の人間を思い浮かべて、言葉を紡いでいく必要があるだろう。

その繊細さを持てるかどうかが、これからの時代でうまく生きていく秘訣なのだ。

今の日本では天才が出てくるのは難しい状況なのだろう。出てきてもすぐに叩かれてしまうだろう。

そんな状況が本書によって変わるのではないかと期待している。

北野氏はこうも言っている。この本は、「今、挑戦しようとしている人に捧げる本」であると。この本が必要としている人に届くことを願う。

凡人が天才を殺す理由。天才と秀才と凡人

パンダ
オイラは天才だけどね。

人の才能は3種類にわけられるとある。

天才「創造性」独創的な考えや着眼的を持ち、人々が思いつかないプロセスで物事を進められる人

秀才「再現性」論理的に物事を考え、システムや数字、秩序を大事にし、堅実に物事を進められる人

凡人「共感性」感情やその場の空気を敏感に読み、相手の反応を予測しながら動ける人

そしてこの三者は微妙なバランスで成り立っている。天才が常にトップにいるわけではなく、いつか秀才の時代が来る。そのとき、凡人は天才を管理することになる、と。

これが大企業がイノベーションを起こせない理由だと著者は言うのだ。

コミュニケーションの断絶により、天才が率いる時代は終わり、秀才の時代が来る。そうなると天才は死にイノベーションを起こす人がいなくなるということだ。

天才は理解されたい。しかし、その創造性や独創性のおかげで理解されることは少ない。それよりも再現性の高い秀才が選ばれるという流れだ。

理解されたいのは天才だけではないだろう。人は誰も理解されたいのだ。しかし、あまりにも独創性な意見を表現しても周囲から認められる可能性は低い。

あなたにも天才と呼ばれる部分があるはずだ。だがそう呼ばれないのはそれを表現していないからに他ならない。

そうやって人は自分の中の天才を殺すのだ。

天才は凡人の手のひら返しに要注意

パンダ
天才も大変だな。

ここでは青野と犬であるケンの会話を引用しよう。

ケン:「ええか。凡人はオセロや。オセロゲーム。凡人ってのは、成果を出す前の天才にはホンマに冷酷や。恐ろしく冷たい。だども、成果を出した途端、手のひらを返す。すごい! すごい! 天才! って言い出す。やけどな、この反応こそが天才を二度殺すんだべ」

青野:「二度殺す……?」

ケン:「いいか、時代は変わる。時代が変わるとは、ルールが変わるということや。そして、天才も、ゲームのルールが変われば、失敗をする。間違える。すると、途端に凡人は意見を変える。あいつは終わった、とな。さっきまで手放しで褒めていた凡人が、急に態度を変える様子を見て、天才はさらに孤独を深める」

大衆というものは、カリスマに迎合するものだ。そして、カリスマに魅力がなくなればそれまでの自分の意見など忘れたかにようにまた次のカリスマに付いていく。これはすべての人間に当てはまる事柄だと思う。

多かれ少なかれ、誰かの成功や失敗を見てから自分の態度を決める、ということは今までに幾度となくあったはずだ。人は孤立するのを嫌う。失敗した人間にいつまでついていたら自分の身が危ないと思い、一目散に逃げる。

これが悪いとは思わない。凡人にはそれくらいしかできず、その傷みを負う天才にとっては、通らなくてはいけない試練であろう。

そして天才は孤独を深める。

誰にも理解されないと絶望に陥った先には何が待っているのか。天才も楽ではない。

人間が進歩していくには天才が必要だ。今で言えばイーロン・マスクのような人間だろう。

天才のそばで働く人々はきついかもしれない。しかし天才がいなければ人類の進歩なく、ずっと山で獣を取り、畑を耕さなければならないことになる。

そういった進歩しない世界というのもありかもしれない。しかし進歩はもう誰にも止められない。それは人間が滅亡するまで続く。

ほとんどの人が凡人である。少なくとも天才の邪魔をしないよう生きたいものだ。

天才を殺す凡人、まとめ

最後に、本書の中で紹介されていた『スヌーピー』の言葉を引用して締めるとしよう。

チャーリー・ブラウンから「なんで、君は犬なんだい?」と尋ねられたときのスヌーピーの答えである。

「なぜ犬かだって? 仕方ないだろ、人生は配られたカードで勝負するしかないのさ」

パンダ
なぜパンダかだって? 仕方ないだろ、ブログの管理人がなんとなくパンダを選んだんだから。
天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ

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