
今回の書評は『外資系コンサルはなぜ、あえて「手書きノート」を使うのか? 太田あや』だ。
著者は10年以上、ノートとノートを使う人を取材し続けてきたそうだが、今回は、外資系コンサルの人のノートの使い方に絞った取材をしたとのこと。
紹介されている人たちはそれぞれ自分に合ったノートの使い方をしているが、それらが実際のノートのページと共に紹介されているからとてもわかりやすい。
ノートの使い方でいつも悩んでいる人にオススメの本だ。
まず「はじめに」から一部引用しよう。
オリジナリティ豊かな彼らの 「手書き 」術には 、共通していたこともありました 。 「手書き 」のやり方に 「曖昧さが一切ない 」ということ 、そして 「手書き 」をとても大切にしているということです 。
Contents
手書きノートのメリット、脳の筋肉を鍛えることができる

「新たな世界に行くためには 、違うエントリ ーの仕方が必要です 。これまでとは別の 〝脳の筋肉 〟を使わなくてはいけない 。そのときには 、手を動かして何かをやるということに意味が出てくるんです 」
IT全盛の時代でもはや手書きというものは時代遅れで、手書きなどくだらないという人さえいる。
しかし、パソコンでのタイピングにはない効果が手書きにはあるのだ。
手で書くことにより脳を鍛えることができるのだ。
他の本で読んだことだが、手書きというのは1万種類の動作を同時にすること、と書かれてあった。
それだけ複雑な動きをするから、それは脳に効果があって当たり前のこと。
身体を動かすということは脳を活性化させることがわかっている。
運動もせず、部屋にこもって勉強していれば頭がよくなるかと言ったら決してそうではないのだ。
もちろん運動だけではダメだが。
必要なのは、圧倒的な書く量、ということ。
自分を変えたいと思うならば、無心にメモすることをオススメする。
手書きノートのメリット、資料作成前の思考整理できる

「考えながらパワ ーポイントで作るというのは 、すごく速いようで遅くなるんです 。パワ ーポイントに向かうと思考停止してしまうので 」
ここでは、何か資料を作る際はいきなりパソコンに向かうのではなく、まずノートで整理してから作ろうと説いている。
「物事は二度作られる」という言葉があるが、まず創造があり、そこから製作になる。
パソコンでの資料作りも、まずはノートに書いて創造し、それから作成に入るとスムーズに資料作成ができる。
結果的に、ノートで整理してから作ったほうがトータルでは早くなるということだ。
日頃から書くという行為を習慣化している人は、結果答えを出すのが早いということなのだ。
今の時代、書くという行為は古いものとして扱われがちだが、脳を鍛えたり、思考を整理したりするには最高の手段だ。
考えると作るを同時にするのではなく、考えると作るをわけることがここでのポイントである。
人間はそれほど器用ではない。
ひとつのことに集中し、それぞれを最後までやり遂げる。
それが結果的に自分の人生を濃密なものにすることにつながるはずだ。
手書きノートのメリット、思考を整理するなら横型

「縦長のノ ートだと何が起こるかというと 、大概文章しか書かなくなるんです 。それなら議事録のようにパソコンを打てば早い 。それに 、僕の思考は 、縦に書くよりも 、横に書いていく方が整理しやすいということにも関係していると思います 」
私も横に書いている。
縦型を横にしているのではなく、最初から横型のノートを買うようになった。
これは色々なノートを使ってきた結果だが、横型のほうが思考が広がりやすいことがわかった。
これは実体験によるものだ。
縦だと上から下に文を連ねていくわけだが、これだとただ羅列するだけ、という感じになってしまう。
学校で黒板の文字を移す行為だ。
しかし横型だと、書いた文の右にまた文を書けるため、思考を深めやすいという特徴がある。
これはもちろん人それぞれだと思う。
大事なのは、自分に合った方法を探すということ。
自分のスタイルが確立している人であればいいが、そうでない人は横書きを試してみることをオススメする。
オススメの横型ノートを紹介しておこう。
『外資系コンサルはなぜ、あえて「手書きノート」を使うのか?』おわりに
おわりに本書のポイントである言葉を引用して締めるとしよう。
考えるということは手を動かすこと 。人は手を動かすことで 、何かを生み出していく 。