【書評】 仕事の悩み迷いを払拭『好きなようにしてください たったひとつの「仕事」の原則 楠木健著』を読んだ感想。

好きなようにしてくださいを書評するPANDA
 
パンダ
好きなようにするさ。

今回の書評は、『好きなようにしてください 楠木健著』だ。

この本は20代~40代から寄せられた仕事の悩みや迷いについて楠木氏が回答していくという形式である。

寄せられた悩みをいくつか紹介しよう。

・大企業とスタートアップで迷っています。
・営業成績トップなのに、降格を命じられました。
・仕事で成功しても、女としては負けですか?
・どうすれば男性の派閥に入れますか?
・ジャーナリストになりたいのですが、勇気がありません。
・インドでプログラミングを学べば、自由人になれますか?
・大手企業とアフリカ、どちらを選ぶべきですか?
・信頼していた部下から、不満をぶちまけられました。
・子どもを海外の大学に行かせるべきですか?
・財閥系からベンチャーへの転職に、妻が大反対しています。
他多数

これらの質問をバッサリと楠木氏が斬っていくのが爽快な本である。回答の中の一節が「好きなようにしてください」であったということだ。

ホントは全然たいしたことないから

パンダ
みんな自分のことが好きだからな。

やはり人間は 、自分のことが一番好き 。僕もそうですが 、自己愛は人間の本性です 。若い時の自己愛の重みといったら 、地球よりも重たい 。だから 、ちょっと何か言われたり 、思い通りにならないことがあると 、すごくショックを受けてしまう 。ただ 、特段努力をしなくても 、年をとればショックもどんどん軽くなっていく 。あなたにも 「二四歳だったら 、自分の人生がひどく大切に思えるでしょう 。でも 、大丈夫 。ホントは全然たいしたことないから 」と申し上げたい 。ご心配には及びません 。一〇年 、二〇年と仕事生活を重ねるうちに 、自然とそう思えるようになっていきます 。普通に生きているだけで 、どんどん楽になっていく 。ド中年の僕が保証します 。

これは24歳の悩みについて答えているときの一説だが、芯をついた回答である。

人間は歳を重ねれば重ねるほど辛いことに鈍感になっていくもの。子どもを想像すればわかりやすい。子どもはあれこれ小さなことで泣いたり笑ったりするが、大きくなるに連れて何も感慨を持たなくなる。

これは大人も同じである。

歳を重ねた分だけ辛いことへの免疫を獲得するということ。少々のことでは心は動かなくなるのだ。もちろんなかにはいくつになっても喜怒哀楽を表現する人はいるが、こと辛いことに関してはどうにかごまかしていかないと心が持たなくなるのだ。

時を重ねるごとに忘れていく、これは人間が生きていく上で大切な能力なのかもしれない。それができなければ心はとうの昔に破綻しているだろう。

楠木流、読書の仕方

パンダ
つまらないものを読むなんて時間がもったいないだろ。

たとえば読書 。本には面白いものとつまらないものがあります 。当然 、面白いものは読みたいし 、つまらないものなら読みたくない 。ところが 、僕にとってはそれとは別に 「イヤなもの 」というカテゴリ ーがあって 、それは結構読みたい 。私的専門用語で 「特殊読書 」と言っています 。たとえば 、石原慎太郎の 『わが人生の時の人々 』 。良し悪しでなく個人的な好き嫌いなのではありますが 、僕にとっては最悪の意味で最高です 。俺様系自慢話のオンパレ ード 。実にイイ感じでイヤな気分になれます 。ちょっとイヤな気分に浸りたい時など 、繰り返し読むのに最適な一冊として僕の本棚の特殊読書コ ーナ ーに鎮座しています 。

これは私にとっておもしろい発見だった。読みたくない本を「イヤなもの」というカテゴリーに入れ、それをあえて読むらしい。

著者にとってはその「イヤなもの」というのは石原慎太郎氏の本らしいのだが、自分にとっては何がそれにあたるのか考えてみるのもおもしろい。

好きなもの、読みやすいものばかり読んでいては思考の偏りが出るかもしれない。あえて「イヤなもの」を読むことは自分の思考を広げ、能力をアップさせることにつながるかもしれない。

これは本に限る必要はないと思う。あなたにとって「イヤなもの」とは何だろうか。

勝ちか負けかなんていまの段階では白黒つけられない

パンダ
世の中ぜんぶ気のせいさ。

そもそも 、仕事生活にしても女としての人生にしても 、勝ちか負けかなんていまの段階では白黒つけられません 。 「死ぬ時にはじめてわかる 」と言う人もいますが 、死ぬ時にいたってもまだわからないものなのではないかと僕は思っています 。要するに 、自分で 「勝ち 」と思えばそれでもう勝っているわけで 、逆に自分で負けと思えばその時点で負けているわけです 。 「勝つと思うな 、思えば負けよ 」という言葉もあります (あれ ?これは全然関係ないか … … ) 。いずれにせよ 、人生の勝ち負けなんて九〇 %は 「気のせい 」だというのが僕の見解です 。

負けと思ったら負けだし、まわりから明らかに負けに見えても本人が負けたと思っていなければ負けではないし、勝つと思えば勝てるものだし、勝とうとしなければ勝てないもの、それが人間。

おそらく大抵の人は、もう終わりにしたいから負けたことにしよう、として終わりにしようとするのではないか、と思う。まだ逆転するチャンスはあったとしても、気持ちが続かなければ人は負けなのだ。

ただ、仕事においては勝ちも負けもないように私は思う。どうやったら勝ちなのか、どうなれば負けなのか、その定義は曖昧だ。その曖昧なものに身を委ねようとするから人は苦しむのだと思う。

働いているだけで価値はあり、勝ちなのだ。働いていないから負けではない。生きていれば価値があり、これもまたやはり勝ちなのだ。

へんに自分で思い込んで、負けたと言って落ち込むことは何の意味もない。あなたの頭の中で起こっていることで他の誰も知らないことだ。他の誰も知らないことだから、コッソリ主張を変えても誰にも気づかれない。

そうやって自分をうまくコントロールして生きていけば、無駄に苦しむ必要はないだろう。

まとめ「好きなようにしてください 楠木健著」

最後に「おわりに」から一文引用して締めるとしよう。

みんな悩みは一緒だ。変に抱えず自分を信じて好きに生きよう。

僕はこれからも好きなことを好きなようにやっていきます 。皆さんも 、どうぞ好きなようにしてください 。

パンダ
オイラはこれからもずっと好きなように生きるさ。
好きなようにしてください

好きなようにしてください

楠木 建
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