
今回の書評は『毎日を好きなことだけで埋めていく』だ。
著者の本田氏は、ネットマーケティングのパイオニアと呼ばれ、過去にはオーストラリア大陸を自転車で横断したことがあるなど稀有な経歴を持った人物である。
本書は、「嫌い」を減らし「好き」を増やして楽しく生きていくための、心構えが書かれたものだ。
まず冒頭の一文を紹介しよう。
この言葉が刺さった人は本書がオススメである。
「どうして、誰かに強制されたわけじゃないのに、楽しくないことに毎日の時間を使っているんだろう?」
Contents
『毎日を好きなことだけで埋めていく 本田晃一』がオススメの理由

何かしら犠牲を払わなくては、好きなように生きられない……わけではないのです。
これは多くの人が勘違いしていることだと言う。
何か犠牲がなければ何かを得られないと思っている。
つらい思いをしなければ幸せをつかむことはできないと思っている。
これは昔から刷り込まれてしまった勘違いなのだ。
心のブレーキを知らず知らずのうちにかけてしまっているというのだ。
ただ世の中には心のブレーキがなく、犠牲を払わず好きなように生きている人は存在するのだ。
好きなように生きるにはある程度テクニックがいるのだと私は思う。
誰もが簡単に好きなように生きていけるなら、世の中にはもっと住みやすくなっていることだろう。
好きなように生きられない人の共通点としては、「言い訳」があげられるだろう。
何か他人から言われても、まずは言い訳から入り、無理だ無理だと言う。
それは結局、行動したくないという意識の表れであり、変わろうという意志がないということを周囲にアピールしているに過ぎないのだ。
本書は固定観念にガチガチに固められてしまっているあなたにオススメの書である。
たっぷり眠ることが大事

きっと多くの人が、日ごろ我慢しすぎて、できていないこと。何かというと、夜、たっぷり眠ってほしいのです。
本書では、疲れているなら3日間しっかり睡眠をとろうと提案している。
現代人は時間を切り売りしており、最終的に睡眠時間を削らなくては立ちいかなくなる状況の人が多いように思う。
どんなに辛くても、睡眠さえきっちり取っていれば、精神的に崩壊することは少ない。
睡眠を削るということは命を削るということだと再認識すべきである。
みんな色んなことを我慢して生きているはずだ。
その中の少しでも、たまに心と身体を解放して行動してみるとまた人生が変わってみえるかもしれない。
それが人によって、睡眠だったり、遊びだったり、恋愛だったり、趣味だったりするのだろう。
ちょっと我慢をやめてみることであなたの心はどう動くだろうか。
それがプラスの方向に動くのならもっとアクセルを踏んでみてもいいかもしれない。
走り抜けたその先に、自分が思い描いていた自分がいるかもしれないし、いないかもしれない。
でも動いてみないことには確認することもできないだろう。
親と好きなことへの罪悪感との関係

好きなことをしようとしても、今までできなかったという人は、「自分のなかには、親との関係によって生まれた『好きなことへの罪悪感』があるんだなあ」と客観的に自覚してみてください。
何かしようとしたとき無意識に自分にブレーキをかけてしまうことがある人は、上にあるように親との関係を思い返してみると良いだろう。
親というのは子どもを躾けることが必要だが、その躾により子どもの可能性を制限してしまうことがあるのだ。
これは線引きが難しい。
躾がしっかりできなければ社会性が育たず、将来子どもが苦労するかもしれない。
逆に躾が過剰であれば子どもは自分に自信が持てずじゅうぶんに力を発揮できなくなるかもしれない。
これらはあくまで想定であり、実際どうなるかはその子どもや家庭によって結果は異なるだろう。
ただひとつ言えるのは、子どもの可能性を奪う権利は親にも誰にもないということだ。
だから子どもと接する際には、細心の注意を払い、成長を促していくことが親としての役目なのだろう。
非常に難しいことだと思う。
子育てには世間体がちらつき、邪魔をする。
世間の目を気にせず、子どもに自由にさせることで子どもの可能性を広げることは可能なのではないか。
多少の社会性の欠如であれば、子どもの能力をじゅうぶんに開花できる状態にしてあげることが良いのではないか。
このような考えには賛否両論あると思う。
そもそも社会性がなければ本人が苦労すると、誰かは言うだろう。
それでも子どもの「好き」という気持ちを大事にし、尊重してあげることで、子どもは幸せに暮らすことができるのではないか、そう思えるのだ。
正解はないだろうが、守るべきは子どもの幸せ、ではないだろうか。
『毎日を好きなことだけで埋めていく 本田晃一』、おわりに
最後に、気になる一文を引用して締めるとしよう。
「人は長所で尊敬され、短所で愛される」ひすいこたろう

そこを目指さない理由がありますか?