
今回は、元SMAPの中居正広氏の「退所ロングインタビュー」を見た感想を書いてみようと思う。
稀に見る内容の会見だったと言えるだろう。
何がというと、場の空気を完全に支配していたのだ。
通常記者会見というと、檀上に上がる人は記者からの質問攻めに合い、防戦一方になるもの。
だが質問される側であるはずの中居氏が終始、場の空気を支配し、記者たちを手玉にとっていたのだ。
これは一般的な勤め人であっても、非常に参考なる技術である。
まだ見ていない人はユーチューブに動画があがっているうちに見てみると良いだろう。
是非中居氏の凄さを体感してほしい。
場を支配するには最初が肝心
まず場を支配するためには、如何に場を自分のコントロール化に置くかということだが、それには最初が肝心である。
まず中居氏がしたことはこれだ。
会見20分前に登場し、その場を仕切り出したのだ。
だいたいの記者会見が時間ぴったりかもしくは少し遅れて始まる場合が多いと思う。
だから記者たちも心の準備をしていなかっただろう。
そこを中居氏は狙ったのではないかと思う。
急に現れ、記者を誘導し、手には「フラッシュの点滅にご注意ください」と書かれた手製のプラカードを掲げていた。
ここでの会話の流れは以下のようだった。
中居「いいですか? 始めて?」
記者「まだ」
中居「説明もまだ? 僕が会社辞めること言っても……」
記者「いやいやいや」
と開始前に言ってしまい、記者から止められ笑いを誘ったのだ。
ここでもうこの場は中居氏のものになったと言えるだろう。
本来なら、神妙な面持ちで登場し、退所することになったという中居氏の言葉を記者は聞きたかったはずだ。
それを最初から潰したのだ。
更にそのあと、登場の場面をやり直すということをやるのだが、ここで中居氏は神妙な顔で登場し、笑いをとっていた。
進行の仕方、笑いの取り方、このあたりが絶妙だと思った。
普通記者会見は他に司会がいるが、この会見は司会もおらず中居氏のみだ。
これも中居氏の考えなのだろう。
司会に粛々と進められたら中居氏のやりたいようにできないし、場を支配することも難しかっただろう。
小芝居を交えた爆笑会見
よく記者が質問するものに、辞めることは誰に連絡したかという質問に対して、中居氏は小芝居を始めた。
東山氏との電話のやり取りをモノマネで再現したのだ。
モノマネをはじめた瞬間、記者たちはただの観客になった。
東山氏のセリフは中居氏がモノマネしているのを想像して読んでほしい。
中居「もしもし中居です」
東山「おい中居どうした」
中居「そういう運びになったので直接報告したかったなと思って」
東山「お~そうかそうか。いや、お疲れさん! じゃあ飯行こう。中居飯行けるか?」
中居「全然行きますのでタイミングあったら…」
東山「お~そうかそうか。じゃあお前いつ空いてる?」
中居「多分バタバタして週刊誌とか追われると迷惑かけるかもしれない」
東山「お~そうかそうか。じゃあ俺も2月いっぱい忙しいからな。3月だな。3月に飯行こう」
中居「じゃあ3月になったら飯お願いします」
東山「じゃあまた電話するよ」
中居「こちらこそ電話します」
東山「お~そうかそうか。お前からも電話するか」
中居「はい僕から電話します」
東山「じゃあな」
「とおっしゃってました」と締めて爆笑をとったのだ。
記者たちもすでに中居のトリコになっており、どのように楽しませてくれるのかを期待しているようだった。
これの効果もあったかどうかはわからないが、記者の質問はいじわるなものは少なかったように思う。
これは人柄によるものも大きいだろう。
元SMAPのメンバーのこと
記者から、木村拓哉さんには報告したか、という質問に対し、「きのう4人にはメールしました」と答えた。
ここで私が思ったのは、キムタクとまだ普通に連絡取れる状態なんだ、ということだった。
このあと不仲説の質問も出てくるが、木村氏とは何か確執があるようなことがずっと言われていたため、お互いのメールアドレスを知っているということについて、いささか驚いた。
ゆえに世間が言うほど不仲ではないのではないか、と思えた。
実際のところはわからない。
中居氏も他のメンバーとの関係については、自分たちがわかっていればそれでいいという主旨のことを言っていた。
それでいいのだと思う。
SMAPの再結成についても質問があったが、中居氏も可能性はゼロじゃないと答えていた。
新しい地図の3人との共演もあるかもしれない、とも言っていた。
これからどんな活動をするのかはわからないが、きっとこの記者会見のように楽しませてくれることだろう。
まずはゆっくりと見守っていきたいと思う。
ちなみに、この会見で中居氏が素になったのは、自分が作った会社名を発表するときだろう。
現在所属は中居氏ひとりで、中居氏が社長で、マネージャーもいない本当にひとりの状態とのことだ。
そんな会社の名前は、
