【書評】『女がそんなことで喜ぶと思うなよ 愚男愚女愛憎世間今昔絵巻 鈴木涼美』を読んだ感想。女の愚痴と嘆きが詰まった一大巨編。

『女がそんなことで喜ぶと思うなよ 愚男愚女愛憎世間今昔絵巻 鈴木涼美』を書評するPANDA
 
パンダ
ある意味内容の濃い本ですね。

今回の書評は『女がそんなことで喜ぶと思うなよ 愚男愚女愛憎世間今昔絵巻 鈴木涼美』だ。

本書は女性の愚痴や悲哀をパンパンに詰め込んだ、大変ボリュームのある内容となっている。

女性なら共感、男性には気づきを与えてくれる本になるだろう。

ただし、男性はあまりの内容の濃さに辟易してしまうかもしれない……。

【書評】30代40代の女性にオススメの小説はこれだ。『言い寄る 田辺聖子著』を読んだ感想。

2018.09.26

ものわかりの良さはアダとなる

パンダ
わからないくらいがちょうどいいのかもしれません。

ものはわかってない方がいい。そして、ものは知らない方がいいのだ。

ここではものわかりの良さについて書かれているが、ものわかりが良すぎるというのは損をしてしまうということだ。

逆にものわかりが悪い、もしくはものわかりが悪いように見せることで、得をすることがあるのだ。

なんでもかんでもわかったような顔をしている人を思い浮かべてほしい。

誰かの顔が浮かんだだろうか。

その顔は好感の持てる顔だろうか。

逆になにもわからないような顔をしている人を思い浮かべてほしい。

誰の顔が浮かんだだろうか。

その顔は少しとぼけているが好感を持てなくはないのではないだろうか。

本書では女性を例にあげ、「聞き分けのいい女」と「聞き分けの悪い女」をとりあげている。

何がどうなるかというと、「聞き分けの悪い女」のほうが先に結婚できてしまうパターンが書かれている。

これは「聞き分けの良い女」だとあれこれ気づいてしまい、自分から身を引いてしまうようなことがあるのだ。

「聞き分けの悪い女」にはそれがない。

男からすれば「聞き分けのいい女」のほうが都合が良いと思われるかもしれない。

女性は一度この章を読んで、自分がどちらなのか、そしてどちらでいるほうが自分にとって良いのかを見極めていただきたい。

また、これは仕事にも置き換えられるかもしれない。

仕事ではあれこれ情報を持っていたほうが有利なのは間違いない。

ただ「知らぬが仏」という言葉があるように、聞き分けが悪いフリをしているほうが助かる場合もあるかもしれない。

別名保存と上書き保存

パンダ
これは男性の女性の特徴をうまく捉えた言葉ですね。

男は「別名保存」、女は「上書き保存」、という今ではお馴染みのよくできた男女の法則はあった。

これは一部を切り取ったものだが、前後はさておき、男は「別名保存」、女は「上書き保存」という箇所が的を射た表現だと感じた。

パソコンをする人ならわかると思うが一応説明すると、「別名保存」はファイルを別に用意してそこにデータを保存するということで、「上書き保存」はそのファイル自体に上書きをして保存するから元のデータは消えてしまう、というものだ。

恋愛において、男性は過去の女性を忘れることができず別名で保存していて、女性は過去を忘れ上書き保存しているということだ。

全員に当てはまることではないだろうが、多くの男性女性がこれにあてはまるのではないだろうか。

男女の違いは失恋のときによくわかる。

男性は引きずるが女性はすぐ次の恋に進むことができる。

もちろんこれも個人差はある。めちゃくちゃ引きずっている女性がいるであろうことは容易に想像できる。

だがやはり往往にして男性は過去の恋愛をご丁寧に別名保存してどこかに保管しておくものなのだろう。

簡単には上書きできないのが男なのだ。

これはおそらくだが、元々人類は一夫多妻の形が子孫を残すという観点から見れば正しいとも言えると思っている。

だから男性は女性たちを自分のところに囲い込んでおきたいという支配欲を持つことになる。

気に入ったなら傍に置いておきたいと考えることから、簡単に忘れる必要がないのだと思う。

一方女性は、ひとりの男性を自分のものにする必要がある。

そうなると失恋したからと言って次の恋に進めないのだとしたら、それは子孫を残すという意味ではマイナスにしかならないのだ。

だから女性は恋愛に関してドライでさっぱりしている人が多いのではないかと推察する。

要は別名保存も上書き保存も子孫を残すための本能的な行動と言えるのだろう。

個々の感情うんぬんのまえに、もともとの本能に突き動かされ、それぞれ保存方法を変えているのかもしれない。

女は仕事運の良さを求めていない

パンダ
女性と男性では仕事に求めるものが違うのでしょうね。

「仕事運だけよくてもそんなにうれしくないんだよね。むしろそこでそんなに運使い切りたくないんだけど」

男女平等などと言われてどのくらいたっただろうか。

実際多くの企業は男女の格差をなくすため対策をうち、男女平等となるよう努力しているはずだ。

それでも男女差別のようなものはあり、完全な男女平等と言える状態ではないのも確かだ。

ただ引用にあるように、女性は仕事運だけを求めているわけではないこともわかる。

キャリアウーマンと呼ばれ、バリバリ男以上に働きたい女性もいるだろうが、それは少数だと思う。

多くの女性は仕事では運を使い切りたくないと思っており、それよりも恋愛や結婚だったり、美容だったり普段の生活の充実、などが大事だったりするのだろう。

実際、どの企業の仕事の現場を見ても、女性はやはり仕事だけが人生ではないということをわかっている。

逆に男性は仕事だけが人生とばかりに、120%仕事に人生を使っているのではないだろうか。

男女平等とは言っても、やはり女性の本音は男に働いてほしいというのが本音だと思う。

だから男女平等男女平等と声高々に訴えられるのは迷惑と感じている女性もいるのではないか、と思うのだ。

もちろん女性が仕事での待遇で冷遇されているとすれば改善しなければならない。

ただ、なんでもかんでも平等を求めた場合、そのひずみで苦しむ人がいるということも忘れてはならない。

世の中に完全な平等などありはしない。

しかも男と女という性別に違いがあるのだ。

感じ方や考え方が違って当然なのだ。

男女平等を求めることは必要だが、生物学上、そして、心情的な部分をひろって男女双方が幸せに生きられる方法を模索していくべきと私は思う。

女がそんなことで喜ぶと思うなよ、おわりに

最後に、「おわりに」から一文を引用して締めるとしよう。

この言葉を読んでも、それでも本書を読みたいと男性たちは思うだろうか。

男性はこころして本書を手に取ってほしい。

男には特に感謝はしていないので、愛と憎しみを込めて、この本を捧げます。

女がそんなことで喜ぶと思うなよ ~愚男愚女愛憎世間今昔絵巻

女がそんなことで喜ぶと思うなよ ~愚男愚女愛憎世間今昔絵巻

鈴木 涼美
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