
あなたは会社で仕事を教える立場ですか?
部下の教育にものすごく困っていませんか?
新入社員をどう教育したら良いか悩んでいませんか?
そんなあなたに教育がうまくいく3つのポイントを伝授します。
全体像を最初に提示する

・まず何を覚えればいいのだろう。
・どこまでできるようになればいいのだろう。
・一日の仕事の終わりはどこだろう。
仕事を覚えたての新人であればこのようなことをまず思います。
仕事の目的とか会社のビジョンとかそんなことは気にしません。
気にしたところでいきなり目的やビジョンに沿って仕事ができるわけはないので意味もありません。
新人が気にするのは、どのような仕事を自分がして、それをどのくらいで終わらせればいいのか、ということだけです。
自分が何をすればいいかわからない状態で職場に放り出されるのは恐怖でしかありません。
またその日の終わりがどこなのか、それがわからないとペース配分ができなくなるため、精神的な消耗が早くなってしまいます。
まず教育する立場のあなたがすべきことは「最初に全体像を提示する」ということです。
悪い教育方法の例
悪い教育方法の例をひとつあげるとすれば、上司が「俺について来い」とだけ言って、あちこち連れまわすだけの古臭い教育方法です。
古臭いと言っても今もこんな教育の仕方をしている会社はゴマンとあるでしょう。
この方法は要は「見て盗め」的な教育ですね。
上司が行くところについて行き上司のやることを観察して覚えなさいという昭和のにおいがするやつです。
これは自分の仕事を見せるというのは悪くありませんが、基本放置プレーなところがいただけません。
見て覚えるということは完全に後出しなわけです。
事前にあれこれ説明を受けずただなんとなく金魚のフンのようにあとについていくだけ。
これでは効率が悪いのです。
またこの方法の問題点で、ただ単に上司が「自分はすごいだろ」というところを見せつけたいだけの場合があるということです。
自慢話ばかりする人はこの手のタイプである可能性が高いのでお気をつけください。

全体像の提示方法
では、全体像の提示とは実際どのように行うのが良いのでしょうか。
最初に頭に浮かぶのがマニュアルですね。
紙ベースのマニュアルや最近は動画のマニュアルを作成している企業も多いでしょう。
しかし、新人にマニュアルを一式渡して読んでおくようにと伝えることが教育と呼べるでしょうか。
まずマニュアルの量にもよりますが全ページに目を通すだけでも大変な上に、それをすべて頭に入れておくことはほぼ無理でしょう。
これでは仕事を覚えるのに時間がかかり、戦力になるまでだいぶ時間がかかります。
では、どうすれば良いか。
答えは、
覚えるべきことを箇条書きで示す、
です。
数は多くて20個~30個にまとめます。
おおざっぱで構いません。
例えば、勤怠で言えば、「入社時に提出する書類について」「タイムカードの打刻方法について」「挨拶について」「休憩時間について」「昼食について」など超基本的なことを書きます。
仕事内容で言えば、営業職とすると「顧客訪問前の準備」「訪問の手順」「訪問時のマナー」「商品の説明方法」など。
こんな基本的なことを書かないといけないのか、と思う方もいると思いますが、新人は何も知りません。
お手洗いの場所さえしりません。
お昼に何を食べたらいいのかさえわかりません。
新人にはまずゼロから教えるという気持ちが必要です。
まずは、おおまかにどんなことをやるのか提示して全体像を見せ、各項目の詳細はその都度教えていく、という方法をとることで仕事を知らない新人に安心を与えることができます。
仮にあなたがマラソンをしなさいとだけ指示されて走るとしたら、めちゃくちゃ不安じゃないですか?
どんなコースを走るんだろう?
給水はあるのかな?
休憩してもいいのだろうか?
ゴールは一体どこだ?
こんなことを思うと思います。
仕事もマラソンと同じです。
上の項目に仕事を当てはめてみればわかりやすいと思います。
こういった基本的なことのケアができない会社はいつまでたっても離職率が高いままになっていまいますのでご注意を。

振り返りをさせる

振り返りをさせるというのは、記録を残させるということです。
日報や日誌でもいいですし、一日の終わりに業務内容を報告させるでもいいですし、何かしら自分の行動の振り返りをさせることが大事です。
ちゃんとした会社であればおそらく日報を提出させる習慣があると思いますが、中小企業や個人経営の会社などは教育のフォローに関してはおろそかになりがちです。
振り返りの内容は以下のポイントが必要です。
・成功点
・反省点
・翌日の目標
・気付いたこと
この5点を書かせる習慣をつけることであとあと活きてきます。
最初から振り返り考えるクセをつけさせておくことで、成長の速度を速めることができます。
その日に行った業務や反省点は誰でも書けるはずです。
学校での反省文を書かせる文化がそうさせるのでしょうか。
目標も問題ないでしょう。
新人が自分で目標設定できなければ上司が設定するのもありです。
そしてこの中で重要なのは、成功点と気付いたことを書かせることです。
反省点とちがって成功点は考えないと書けません。
また成功点を書く欄があるということで成功につながる行動に一歩踏み出しやすくなります。
また気付いたことは、書き方は自由です。
なんでもいいから書いてみるように伝えましょう。
新人だからこそ、下っ端だからこそ気付くことが絶対あるはずです。
それを掘り起こしておくことがあとあと仕事に活きてきます。
それで本当にどうでもいいようなことを書く新人もいるかもしれませんが、それはスルーしましょう。
それを非難すると書かなくなります。
新人のうちはまず思ったことをアウトプットしてみることが大事ですので、子どもを育てるように見守りましょう。
その慈愛がゆくゆく新人の成長につながります。
率先垂範

3つ目は率先垂範です。
1つ目で見て盗むの話をしましたが、それとはまた別の話です。
大事なのは、最初に全体像を提示し、振り返りをさせてる状態で、率先垂範をするということです。
何もしないけどマニュアルもただ渡すだけで、見て盗めといってもそれは身につきません。
それは教育する力のない上司、先輩です。
進むべき方向を指し示したあとで、その道の半歩前を同じペースで歩く、これが教育にとって大事なことです。
自分が手本を示している姿を部下に見せられない上司は、仕事に対して自信がないか、仕事に対して誇りを持っていないか、のどちらかです。
自信があれば堂々と見せられますし、誇りを持っていればちょっと泥臭いことでも部下にも見せておこうと思うはずです。
成功はもちろん失敗も見せておくことで部下は色々と考えるようになります。
成功だけ見せて部下が実際にやってみて失敗続きになれば、落ち込むだけです。
失敗だけしか見せられないのであれば上司として見てもらうことはできなくなります。
成功も失敗も見せることで、仕事の難しさ、仕事の楽しさ、仕事の意義を伝えることができるようになります。
率先垂範。
たったの4文字ですが、この意味は果てしなく重いです。
人に教える立場の人は何度もこの言葉の意味を考え抜くことをおすすめします。
まとめ
仕事において教育する立場の人が意識すべきことは、
教育では最初におおまかな全体像を示し、振り返りをさせ、率先垂範で手本を示す、これが大事。
むしろこれがすべてです。
これさえしっかりやればあとは部下が勝手に育ちます。
子どもと一緒です。
小さいうちは手がかかるけど、ある程度大きくなれば自分で考え行動するようになります。
それは仕事での教育においても一緒です。
子どもはいつか巣立つように、部下もいつのまにか自分の手を離れていきます。
