【書評】『なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか? 日本人が知らない本当の世界経済の授業 松村嘉浩著』を読んだ感想。

『なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?を書評するPANDA
 
パンダ
タイトル長っ。

今回の書評は、『なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか? 日本人が知らない本当の世界経済の授業 松村嘉浩著』だ。

未来に漠然とした不安を持っている人にオススメの本である。多少なりとも誰でも不安を持っているはずだから誰にとってもオススメと言えるだろう。

私たちは迷子になっている

パンダ
時代の変化点?

じつは、我々は大きな時代の変化点にいるのです。それゆえに迷子になっているのです。本書を通じて、ぜひ迷子の状態から脱出していただき、我々はどうするべきなのか理解していただければと思います。

時代の変化点というのは過去にもいくつもあったはずだが、私たちが迎えようとしている変化点はそれらとは比較にならないほど大きなものかもしれないのだ。

わずか数年で過去の常識が通じなくなるほど、技術の進歩速度は劇的になっている。

100年後はおろか、私たちが生きているであろう10年後20年後もどうなっているかわからない。

人工知能に仕事を奪われると喧伝されているが、それが本当にそうなるのかどうかは誰にもわからない。恐怖を煽る人もいれば楽観的に考えている人もいる。

私が思うのは、実際に未来を迎えたときに「ほらな」とドヤ顔をされても、それには何の意味もないということ。

本当に心配するならそうならないよう今から行動するしかないのだ。それは私たち一般人にも言えることだが。

『進撃の巨人』はなぜ売れたのか?

パンダ
心臓を捧げよ!

つまりこれは《不安におびえる現代社会》を投影してあるのではないかと思うのです。

本当にこのままで大丈夫なのだろうか? 今は良いけれど自分たちが戦ってもまったく歯が立たない巨人のような何かが襲ってくるのではないかる といった《漠然とした不安》を持っている気持ちが、うまく表現されているように思えるのです。

何か大きな力によって今の暮らしが破壊されるかもしれないと言う恐怖を誰もが抱えている。これは地震大国である日本人は特にそうなのかもしれない。

地震や津波を、ときには巨人に、ときにはエヴァンゲリオンの使徒に、ときにはSF映画の宇宙人に、ときには人類を滅ぼす巨大隕石に見立てて日頃から心構えを持とうとしているのかもしれない。

巨人に喰われようが、使徒に家を潰されようが、それでも人は生きようとするし、また家やビルを建てようとする。そうやって安心を得ようとしているのだ。

どうせ壊れるなら家は仮設でいい、なんてことは思わない。人間の営みを捨てたら人間ではない、と言わんとばかりに、人は人であろうとする。

そこからは逃げられないし、離れられない。

故に悩みが尽きることはない。

不安とどう付き合うかが生きるということなのだろう。

これからは『鉄腕アトム』が人類を不幸にする

パンダ
なんで? アトムが攻撃してくるのか?

たしかに、機械を管理するといった高度な仕事が生まれてくるのですが、産業革命のときのようにはいかないという可能性も高いのです。知識や技能のない人が切り捨てられてしまう可能性も高いのです。前回、人類を幸せにするはずだったアトムが、じうは人を不幸にしていくかもしれない、と言ったのはこういうわけです。

これ、実際どうなるのだろうか。私はどちらかと言えば人間はまた新しい仕事を生み出し、結局ロボットがいても今と変わらず仕事をして、仕事で悩んでいると思っている。

大変なことはすべてロボットに任せて人間は楽な生活ができればいいのかもしれない。しかし、それが幸せなのかどうかはわからない。

人間は人より優位な立場にいたいという欲があるため、他の人が働いていなければ自分は働いてもっと稼ぐ、という人が出てきてもおかしくない。そうなれば結局また競争社会になるだけだ。

なかには何もしなくても生きられるなら余計なことはしない、という人も一定数いるだろう。

そう考えると今と変わらないのかもしれない。何かひとつ仕事に就くだけの人、起業する人、本業と副業をする人、今も選択肢はある。

たくさん稼ごうと思わないなら、ひとつ職を見つけて決まったことだけをやればいいのだ。

時代が賢く進めば全員が楽できる世界に、時代が人間性を帯びるならまた格差ができるだけなのだろう。

やはり人間は愚かだ。

おわりに

最後に著者の懸念を引用して締めるとしよう。

私のような者が、このような本を書いて警告しなけれびならないこと自体が、世の中がいかに〝おかしな〟ことになっているかという証に他ならないのではないでしょうか?

パンダ
未来がどうなるかの答え合わせが楽しみだな。