
今回の書評は『サーファーに花粉症はいない 斎藤糧三著』だ。
今や花粉症患者数は2,000万人とも言われている。もはや一大産業であり、日本になくてはならない経済の一部と言えるだろう。
しかし、花粉症患者はつらいのだ。鼻が出て、目がかゆくなり、喉に違和感を覚え、肌さえもかゆくなることもある。
この花粉症のせいでモチベーションが落ちているのは間違いない。
もし花粉症がなければ日本人の国民性はどうなっていただろうか。
花粉症だと身の回りを清潔にしたり掃除をしたり、小さなことでも気になるようになるが、花粉症がなければもっとおおらかな国民性になっていたかもしれない。
もはやそれは知ることもできないことだが。
私も花粉症で悩んできた

なぜ私は花粉症とビタミンDの関連に気付いたのでしょうか。
それはまず何よりも自分自身が、そして妻が花粉症に悩んでいたからです。
そしてもう1つの理由は、私は「機能性医学」という「次世代の主流になる医学」を学んでいたからです。
著者は幼少期からアトピー性皮膚炎で、医者になってからも花粉症に悩む、アレルギー体質なのだ。また、妻も花粉症とのこと。
2,000万人も花粉症患者がいれば、そのなかに医者も多く入っているだろう。
医者でさえも克服できない花粉症はそれだけやっかいな病気ということだ。
私も花粉症で花粉が飛ぶ季節は憂鬱で、気分もふさぐ。テンションなどあがりようもない。
ただ、著者は海やビーチリゾートに行くとアトピーや鼻づまりが改善することを自身の身体を持って体験していた。
だがその理由はわかっていなかったとのこと。
そんなとき、アメリカで「機能性医学」と出会ったのだ。
そこで知った言葉が「バイタミン ディー」である。
これがまさに「ビタミンD」なのである。
ビタミンD服用体験

専門家の意見は2,000~4,000IU/日の摂取が推奨だったので、まず4,000IU飲んでみました。
飲んで30分くらい、なんとなく「日なたぼっこ」した時の、ホンワカした気分になってきたのでした。
現在はマイクログラム(μg)で表記することが多くなっており、1μg=40IUとなる
著者は自身がビタミンDを摂取することにより、花粉症の症状が和らぐことを経験した。
また著者のクリニックでスタッフ10名に飲んでもらったところ、個人差はあるが症状が和らぐという結果になった。
ビタミンDは通常、日光を浴びることで生成されるものだが、先進国では日光を避けるように生活をするようになり、ビタミンD欠乏になっているのではないか、とのことだ。
たしかに花粉症は現代病で、昔はなかったものだ。もしかしたら昔は別の呼び名の病気だったかもしれないが。
戦後、大量の木材が必要だったため、日本政府は焼け野原に杉の木を植えた。杉は成長が早く、木材としてもすぐれていたため、戦後焼け野原となってしまった日本にはちょうどよい木だったのだ。
杉がこれだけ自生しているのは日本だけなのだ。
このとき杉を植えていなければ花粉症はなかったかもしれない。しかし今それを言ってもはじまらない。
戦後、杉を植えていなければ、あの奇跡のような戦後復興はなかったかもしれないのだ。
何が正しいかなどわからないが、戦後の復興は日本人が過去を反省し、そこから正しい道を歩んだ結果だと思う。
サーファーに花粉症はいないというタイトルの意味

ビタミンDが日光浴によって生成されることから、「お日様の下でサーフィンを楽しんでいる人には、ビタミンD欠乏もなく、従って免疫の異常が起こりにくく、花粉症になる人も少ない」という仮説を立てたからです。
しかし、この仮説は実は間違いです。
ここで誤ってしまいます。ゴメンナサイ。
サーファーで花粉症の人は、残念ながらいらっしゃいます。
これがこの本のおもしろいところであり、罪深いところである。
タイトルで謳ったことが、実は間違いだというのだ。
おそらく世間にはこのタイトルだけを見て、「サーファーって花粉症にならないんだぜ」と知ったかぶりをかましている人が一定数いるのではないかと予想される。
そんな知ったかぶりはどうでもいいが、なかにはタイトルだけを見てサーフィンをはじめたという人がいるのではないかと思うのだ。
その人は今も気付かず、サーフィンを続けているのだろうか。花粉症は治ったのだろうか。
治ったのなら良いが、そうでなければ悲しいことだ。
治っていなくてもサーフィンを楽しんでいるならそれはそれでいいかもしれないが。
キャッチーなタイトルにする必要があるのだろうが、結論とまったく違うことをタイトルにもってくるのは、こういった勘違いや知ったかぶりを作ることになってしまうため、タイトルは慎重に考えてほしいものだ。
おわりに、オススメサプリ
最後にオススメのサプリを紹介して締めるとしよう。
本書では、サーフィンではなく、どのように日光浴すれば良いか、どのようにビタミンDを摂取すれば良いか、など詳しく書かれているので花粉症に悩む人は是非一度読んでほしい。
間違ってもタイトルだけを見て判断することはやめてほしい。
