
今回は、映画『ジョーカー JOKER』を観た感想を書こうと思う。
まずこの映画を語る前に、伝えなくてはいけないのは『ダークナイト』のことだ。
この『ジョーカー JOKER』は、バットマンシリーズの『ダークナイト』の中の悪役「ジョーカー」のことである。
『ダークナイト』では、バットマンとジョーカーが対決することになるのだが、ここでのジョーカーはかつてないほどの悪党と言えるほどの悪役である。
今回の『ジョーカー JOKER』では、その史上かつていない悪党が生まれるまでの過程を描いた作品なのだ。
『ダークナイト』を観た人なら、純粋に楽しめるだろう。
『ダークナイト』を観たことがない人は、是非先に『ジョーカー JOKER』を観てほしい。
『ジョーカー JOKER』を観てから『ダークナイト』を観たほうがより楽しめるはずだ。それはジョーカーに対して感情移入できるからだ。もしかするとバットマンに対して嫌悪感を抱くかもしれない。
また、『ダークナイト』を観てから、『ジョーカー JOKER』を観れば、ジョーカーの心を知り、涙できるはずだ。
どの順で観るかは自由だが、どちらの作品も必ず観て欲しいと強くオススメできるほど、最高の出来上がりになっていると断言しておこう。
2019年10月4日(金)公開
R15指定
監督トッド・フィリップス
主演ホアキン・フェニックス
.。oO(ここまでヒース・レジャー演じるジョーカーに圧倒されまくりですが、それではここで10月4日公開となる『#ジョーカー』で新たな“ジョーカー”役を演じるホアキン・フェニックスの怪演ぶりが分かる予告映像をご覧ください💥🤡#ダークナイト#ジョーカー公開記念 pic.twitter.com/VfGEr4EFxL
— ワーナー ブラザース ジャパン (@warnerjp) September 28, 2019
『ジョーカー JOKER』がオススメの理由

本作『ジョーカー JOKER』で感じるのは、主演ホアキン・フェニックスの熱量と覚悟だろう。
ホアキンは本作に出るために過酷な減量を行い、24㎏体重を落としたと言われている。
本編を観ればわかるが、上半身裸のシーンが多く、そのすべてが肋骨が浮き出るほど痩せているのだ。
それがジョーカーのジョーカーらしさを浮きだたせている。
映画のストーリーとしてはかなり過激である。
R15指定もうなずける。
本作はバットマンシリーズが好きな人にはもちろんオススメだが、心に何か闇を抱えているような、普段自分の心を抑圧しているような、そんな人にオススメだ。
これはジョーカーのようになれ、と言っているわけではなく、ジョーカーの苦悩や葛藤を知ることで、自分の心を見つめ直すことにつながると思うのだ。
人は環境によってつくられる

ここは若干のネタバレを含むが、本作は悪役ジョーカーが生まれるまでを描いた作品である。
そこではジョーカーの生い立ちや過去が暴かれるのだが、そこで感じたのは環境が人をつくる、ということだ。
おそらく他の誰でも、ジョーカーと同じ環境に身を置いたら、同じような悪党になってしまう可能性は高いと思う。
親との関係や、仕事のこと、そして隠されていた秘密、これはここでは書かないが、それら一つひとつの要素がジョーカーをつくるために必要だったのだ。
人からの何気ない言葉、何気ない行動が、本人には多大な影響を与えることがあるが、それがよくわかる作品だ。
悪気はない、という言葉ほど悪に満ちた言葉はないのかもしれない。
ほんのちょっとした悪意だけなら心に大きな影響を与えることはないが、それが山のように積み重なったとき、人は壊れてしまうのだと思う。
もし常に悪意を受けるような環境にいるのであれば、そこから逃げ出すことを考えたほうがいい。
そうでなければ自分が壊れてしまうかもしれない。
もし『ジョーカー JOKER』をヒース・レジャーが演じていたら?

これは仮定の話になるが、もし本作『ジョーカー JOKER』をホアキン・フェニックスではなく、ヒース・レジャーが演じていたらどうなっただろうか、とバットマンファンなら考えてしまうところだろう。
それを観てみたいと思うが、それは無理だし、考えるだけ無駄かもしれない。
ご存知ない方のために言っておくが、ダークナイトでジョーカーを演じたヒース・レジャーはすでに亡くなっている。
それもダークナイト公開前に、である。
理由については、薬の過剰摂取ではないか、と言われている。
であるから、ヒースが『ジョーカー JOKER』を演じることは不可能なのだが、実際に演じていたらどうなっていただろうかと考えざるを得ない。
だが、あえて言うなら、やはりホアキンでしか演じられなかったと思うのだ。
それはヒースのジョーカーは1000%完成してしまっており、ジョーカーが生まれる過程を演じるには無理があるのではないかと感じた。
もちろんヒースなら演じることはできるだろう。ただ、観る側の問題として、ヒースがジョーカーになる過程を演じることに違和感を覚えてしまうだろうということだ。
それほどヒースのジョーカーの完成度は高い。高すぎるのだ。
ゆえに、本作『ジョーカー JOKER』はホアキンでしか演じられない、と断言しておこう。
おそらく本作品はアカデミー賞をとるだろう。
作品賞と主演男優賞は間違いないと思われる。
バットマンシリーズに興味がある人もない人も、是非観て欲しい最高の作品である。
最後に、甲乙つけがたいが、『ジョーカー』と『ダークナイト』どちらがおもしろいかと問われたなら、私は『ダークナイト』と答えるかもしれない……。