
「あなたは「自分の人生」を生きてる?」
この本はこの言葉から始まる。
Contents
僕は東京を捨てました
イケダハヤト氏は2014年に東京から縁もゆかりもない高知県に移住したそうだ。
移住の話をすると、こういった声(妄言)を聞くそう。
「でも、田舎は閉鎖的で、村八分になる」
「でも、コミュニケーション能力がないと、移住なんてできない」
「でも、田舎には面白い人がいない」
「でも、田舎は教育環境が悪いから。子育てには向いていない」
「でもでもでもでも」って、文句ばっかり言っている人たちの顔が目に浮かぶ。
こういった移住への偏見に対してイケハヤ氏は、これは妄言で驚くほどに間違っていると断言している。
否定する人たちはよくわからないから否定するものだ。移住したこともないのに。わからないから不安なのだろう。
私も地方移住はしたことはないが、正直興味はある。
渋滞とか通勤ラッシュとか見てもこれは普通じゃないな、と思う。
あれが普通だという認識になってしまった人は完全に都会に洗脳されてしまった人なのだろう。
まあ確かに、実際に移住して失敗だった、と思ってもあとの祭りである。こんなツイートをしてる方もいる……。
限界集落である僕の田舎に3年前、若者が移住してきました
移住から3年経った今、どういう思いでいるのかを聞きましたよ
・スローライフを送れる
・みんな優しい
・チャンスにあふれてるこんなのウソです
甘い言葉で田舎に移住者を呼び込むのは害悪だと思います
https://t.co/onXZLUAfkM— ゆきひろ@トレードトラベラー (@yukihiro_fx) 2018年7月12日
移住を考えている人はまずこの本を読んでみよう。
そこに住み続けるしかないと、失敗したときのリスクは大きい。だが、、都会に住み続けるリスクも同等に考えないといけない。
東京では移動時間という人生の無駄遣いから逃れられない
次の言葉を読んでドキっとする人は多いのではないだろうか。
東京近郊に住んでいると、「片道1時間以上かけて通勤する」というのは決して珍しい話ではありませんよね。これをお読みの方のなかにも、毎日2時間以上、通勤している人がいると思います。いやー、信じられない。なにその人生の無駄遣い。今日死んだら後悔しませんか?
こんな書き方したら長い時間かけて通勤している人からすれば、こう思うのでは。

でも、この言葉はイケハヤ氏が通勤を経験したからこそ言いたいことなのだ。
インフルエンサーの人たちがいろいろな人をディスっているのをツイッターなどで見るが、あれは他の人たちに向けたものというのより、過去の自分に向けたものなんじゃないかと私は思う。
本書に書いてあるがイケハヤ氏も通勤にだいぶ時間を割いていたそうだ。
過去の自分と今の勤め人が重なり、言わずにはいられなくなるというのが本音なのだろう。
人間って自分に似た人を責めたくなるものなのだ。
だって自分と同じだから相手の状況とか考えてることが痛いほどわかるから。
なので、インフルエンサーたちがディスっていたら、ああ僕のために言ってくれてるんだな、と思うようにして前に進もう。
田舎には仕事がないというウソ
田舎には仕事がないと思われがちだが、そんなことはないとイケハヤ氏は断言している。
・草刈りアルバイト(実際、自給1,000円でやりました)
・自刈型林業(自分たちで木を伐採する小規模林業)
・狩猟(サルは1頭駆除すると5万円もらえるとか)
・電線に絡みついた木を除去する仕事(電力会社)
・冬場の日本酒造り
・地元NPOの臨時職員(週1日程度)
・町営住宅の管理業務
・廃棄される食材(ゆずの皮、魚のあらなど)を使った加工品の販売
・山菜の加工販売
・見捨てられた茶畑を再生して加工販売
・空き家を活用したゲストハウス経営
・烏骨鶏や地鶏を放し飼いにして平飼い卵を販売

なんか聞いたことないフレーズばかり並んでいるが、どれも本当にある仕事らしい。本を書かれた時期と今とは違う点もあるかもしれないが。でも、なんかおもしろそうだ。ちょっと移住に興味が湧いてきた。
都会の人が移住してきたら田舎の人の仕事を奪うのでは?という心配をする人がいるかもしれないが、問題ないとのこと。
地方は人口が減っていて、資源・仕事に対して人が少なすぎるということと、地方には大きな「伸びしろ」があるらしい。
これは移住するには、準備がどうとか、仕事がどうとか言うより、勇気の問題かもしれない。
田舎って言ったって、そこで生活している人はいるわけで、生きていけないわけがない。
ただ、頭でわかっていてもいざとなるとふんぎりはつかないかもしれないが。
田舎に移住して収入が800万円から2000万円に上がった
もうちょっと生々しい話をしましょうか。ぼくは、移住して年収が大幅に増えました。事業規模でいうと、東京で生活していた2013年度は年商800万円。こうちしから限界集落に移住した2015年度は年商2000万円まで伸びました。2016年度は2500万円の売り上げを目論んでいます。まさに右肩上がり。このまま「限界集落から年商10億」を目指します。

順調に年商を増やしているようだ。ただこれを読んで私が思ったことは、移住したからと言って誰もが年収が増えるわけではないということ。
当たり前のことだが、ビジネスプランをしっかり考えないと移住して更に生活が困窮するという事態になる可能性もありえる。
おそらくイケハヤ氏の場合、東京に住んでいたとしても年収を増やすことはできたと思う。
移住したことがネタになり、それをうまく活用したことで注目を得ることができた例と言えるので、どこで暮らすかよりもどう自分をマネタイズするか、が重要なのだろう。
都会でもっと稼いでいる人はたくさんいるわけだし。
あなたがダメなのは、あなたが無能だからではなく「環境」が悪いだけ
ぼくはもっと多くの日本人が、気軽に環境を変えられるようになるべきだと考えています。「私はここにいなくてはいけない、こうあらねばならない」という、心底くだらない「縛り」を自分に与えるから、犯罪が、自殺、戦争が起きるのです。もっと流動的になれば、ぼくらの社会は優しく、豊かなものになっていきます。
この言葉はとても心に響いた。流動的に、たしかにそうだ。
水も一か所に留まっていたら腐るように、人間も同じかもしれない。
水の流れのように、川の流れのように、流動的に柔軟に生きていくことが今の時代の人たちには必要なのだろう。
まとめ
ではこの本でイケハヤ氏が言いたいことをひと言で。
「東京にいると消耗するだけだから移住しよう。でも準備は大事だよ」
この本は他にも、
「移住で失敗しないための5つのステップと知っておくべき制度」
「【特別収録】妻へのインタビュー」
「【おまけ】移住に関するよくある質問」
などが掲載されている。
移住に興味が湧いた人は本書を読んで移住について本気で検討してみてはいかがだろうか。
