【書評】『分断を生むエジソン 北野唯我』を読んだ感想。あなたに現代の真の姿を鋭く問いかける経済小説。勤め人や起業家にオススメの本。

『分断を生むエジソン 北野唯我』を書評するPANDA
 
パンダ
分断を生む、エジソン? どういうこと?

今回の書評は『分断を生むエジソン 北野唯我』だ。

あの『転職の思考法』や『天才を殺す凡人』を書いた北野氏の新刊である。しかも2冊同時出版なのだ。

過去の著書はこちらを参考に↓

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2019.01.19

【書評】『転職の思考法 北野唯我著』を読んだ感想。会社を辞めるか残るかで悩む人にオススメ。辞める前に読まなければ必ず後悔する。

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本書はビジネス書と言えるが、物語形式でビジネスについて語っており、経済小説と呼んでいいだろう。

起業を目指す人、勤め人、これから社会に出る学生、あらゆる人に読んでほしい本である。

ただ内容は簡単ではない。

熟読し、自分の中で消化し、それを更に昇華させなければ本書を読む意味はないだろう。

『分断を生むエジソン 北野唯我』がオススメの理由

パンダ
次の言葉を見ればこの本を読まずにはいられないですよ。

「ドラッカーは死んだのだ」

北野氏は、言葉のチョイスがうまい。

タイトルの「分断を生むエジソン」からはじまり、「影響力の地図」「ペインとゲイン」「4つの大病」など、心の琴線に引っかかり、なんだろうと思わせる言葉を使っている。

あなたも本書に出てくる言葉に、ふと手を止める瞬間があるだろう。

また、本書を読むべきは起業家、しかも過去に起業に失敗している人が読むべき本であると言える。

失敗したあといかに考え、いかに行動すべきか、その答えを探すために本書は助けとなるはずだ。

小説として読むだけでもじゅうぶん楽しめると思う。

これはあえてそうしているのだと思うが、一人称と三人称が混在していて読みづらい点は少しある。

このあたりを改善していくと、池井戸潤のような経済小説が生まれる可能性もあると思っている。

いずれにしても、経済的知識を持ちながら物語を描くことができる人は稀有な存在である。

今後も北野氏の著書には要注目である。

優れた経営者は心の中に3つの人間を雇っている

パンダ
3つの人間?

1.起業家(発明家)
2.投資家
3.戦略家

経営者として成功するには、起業家や発明家であるだけではダメだと言うこと。

ここでは時間軸の話をしているが、ポイントは「時間への寛容度」とある。

投資家や戦略家は「待つこと」が必要になると。

起業家として成功するには、いくつもの顔を持ち、それを巧みに使い分けなければならないということなのだろう。

ただ何かを生み出したとしてもそこに戦略がなければ物が売れることはない。

ただ方向性を示したとしても、投資し、時間をかけなければ花は咲かない。

すべてを使い分けていかなければならないのだ。

逆に言えば、発明のように何かを生み出すことにしか才能がなければ起業家には向かないため、経営は誰かに任せたほうがいいと言えるかもしれない。

こうなると経営者として才能がある人はほんの一握りとなってしまうかもしれないが、ひとりではなく、周囲の人と協力することで成功を目指すことは可能だ。

現在多くの起業家がいるが、完全なワンマンで経営している人は少ないのかもしれない。

周囲に右腕左腕となる人が何人もいて、トップを支えているはずだ。

人間の能力には大差はない。

それぞれがそれぞれを補完しながら経営することで、誰でも起業は可能なのだと思いたい。

記憶に間違いがなければ、あのユニクロの柳井氏も、起業に特別な素質は必要ない、という主旨のコメントをしていた。

要するに大事なのは、企業として3つの人間を演じることができるかどうか、成功はこれに掛かっていると言えるだろう。

4人の病める王と5人の繋ぐもの

パンダ
分断を生むものと繋ぐもの、どちらになるか……

4人の病める王
・分断を生むエジソン
・魂なきバンカー
・夢を忘れたピーターパン
・才能を殺す巨大なスイミー

エジソンが分断を生む、とはどういうことなのか。

ここが本書の肝であるため、理解するためには実際に読むしかないが簡単に説明すると、才能のある好奇心の強い一部の天才が突き進むことによって分断が起きるということだ。

これだけで説明するのは難しいし、聞いても理解できないだろう。

この4つの病により、分断を生む者が生まれ、それを防ぐには、5人の繋ぐもの、が必要。

その5人が何なのかは本書で確認を。

この章は繰り返し読むべき章だ。

自分が4つの病のうちのどれなのか、そして、5つの繋ぐものの中で自分が担える役割とはどれなのか、それを深く探ってみるべきだ。

ここで大事なのは、分断を生むエジソンこそ悪だ、というような断定的な言論である。

どれも正義でどれも悪となり得るのだ。

あなたが正義でもあり悪でもあるように。

人は何にでもなれる。

誰かのためなら悪にでもなれるだろう。

それ同じくらい、誰かのために圧倒的な正義になることも可能だ。

主観と客観のバランスをとり、いかにして自分が繋ぐものとなれるか、それを追求していくことが仕事において、はたまた人生において成長するということなのだろう。

この解釈があっているかどうかはわからない。

正解などないのかもしれない。

本書を読み、あなたなりの正解を見つけてほしい。

『分断を生むエジソン 北野唯我』おわりに

巻末には特別付録がついている。

中身が何なのかは自分で確認して欲しい。

中身を取り出したとき、あと3冊、本書を買おうかどうか迷う人がいるはずだ。

パンダ
私は、夢を忘れたピーターパンなのかもしれない。
分断を生むエジソン

分断を生むエジソン

北野 唯我
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