
今回は、ことわざ「沈黙は金。雄弁は銀」にあるように、沈黙と雄弁について語りたいと思う。
まず、あなたはこのようなことを思っていないだろうか。
「なぜか悪いことが続けて起こる」
「周囲の人から避けられている気がする」
その原因のひとつは「言葉」にあるかもしれない。
言葉を操る動物は人間だけ。ゆえに、言葉の使い方が人間の生き方そのものと言ってもいい。
人生をよりよく生きるためにいかに言葉を使うべきか解説しよう。
人生を好転させるには無駄にしゃべらないことがいちばん

あなたは一日どのくらいしゃべっているだろうか。
そしてどんな言葉を使っているだろうか。
すぐには浮かんでこないだろう。
それもそのはず。人はそこまで考えて言葉を発しているわけではないのだ。それが仕事であれプライベートであれ。
深く考えて発した言葉なら覚えているはずだ。だが覚えていないということはそういうことだ。
そして言葉には、陰と陽、マイナスとプラスがあり、ほとんどの人がマイナスに傾くであろう。
それほど人はネガティブであり、常に不安を抱えているとも言える。
なかにはプラスの言葉を上手に使い、人生をうまく渡り歩いている人もいるが、ほとんどの人は無自覚のままマイナスな言葉を多用し、自身の人生を知らず知らずのうちに悪い方向へとむかわせてしまっているのだ。
その解決方法はこれしかない。
しゃべらない。
そんなの無理、と思った人もいるだろう。
だが、必要な言葉に絞って発する、ということならできるだろう。
山にこもることができれば1日何もしゃべらないで過ごすことができるかもしれないが、現代社会ではそれは難しいというか無理である。
だから、まずは極力しゃべらないということを前提に、1日過ごしてみるということを是非やってみてほしい。
しゃべらないことでストレスが溜まると思うかもしれないが、逆にしゃべることで侵入を許してしまうストレスにさらされることがなくなるから、心は軽くなるのだ。
口を開けばマイナスな言葉を発してしまう現代人には、黙るという行為が適している。
現代人はしゃべりすぎだ。
しゃべる量さえコントロールできるようになれば、あなたの人生に悪いものが引き寄せられることは少なくなるはずだ。
なぜ無駄にしゃべってしまうのか

この答えは明確である。
自分の行動もしくは行動していないことを正当化するために言葉で取り繕っている
まずは行動はしたが、それが正しかったのかどうか不安でしょうがないため、言葉で行動の埋め合わせをするパターンだ。
人間は完璧に言葉を発せないように、完ぺきに行動することもできない。
ゆえに行動したときは何か不備があって当たり前なのだ。
しかしここで重要なのは、しっかりとした準備と、しっかりとした洞察力により、より完璧に近い行動は可能である。
そこまでの考えに至らない人が、不安を抱え、言葉で埋め合わせをせざるを得なくなるのだ。
次に、まったく行動していない場合だ。
この場合、その人は自分が周囲から責められる可能性があること、もしくは責められているように感じること、これらのプレッシャーを受けることになる。
人は必要以上のプレッシャーを与えられると、周囲を逆に攻撃するようになってしまうのだ。
だから誰かにプレッシャーを与えるのは、ほどほどにしないといけない。
本来は自省を求め、次からの行動を変えさせることが目的なのだから。
故に行動していない人というのは、自分が悪いことがわかっている分、攻撃を受けたときの反撃は強くなる。
行動していないわけだから言い訳もできず、ただ敵から身を守ることしかできないのである。
こう書くと、行動の補填をするわけだからしゃべることも重要なのでは、と思う人がいるかもしれない。
そうではないのだ。
しゃべって弁解してしまえば、その後、それについて行動することはなくなるのだ。
しゃべることでパワーを使ってしまえば、心は満足してしまい、次の行動に移すことはほぼなくなってしまう。
行動することにより結果を残したいのであれば、言葉に逃げず、いかに行動すべきかを深く深く考えるしかないだろう。
口を噤み、言葉で発散することを抑えることで、それが行動への原動力となるのだ。
言葉の使い方の男女差

この本にはこう書いてある。
なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略 (幻冬舎新書)
男性:7,000語
女性は男性の3倍近く言葉を発しているというデータがある。
そのため、黙るという行為が女性にできるかどうかは甚だ疑問だ。
男性は体を動かすことでストレスを解消するような体の仕組みなのだが、女性は話すことでストレスを発散しているのだ。脳の構造の男女が影響しているようにも思う。
しかし、女性こそ沈黙、ということを是非試してみてほしい。
女性の社会進出が遅れているのは確かだ。過去の女は家庭に入るべき、というような観念が未だに若干残っていることも問題だが、女性は無駄な言葉が多いため移り変わりの激しいビジネス業界では非効率的なのかもしれない。
愚痴や悪口などのマイナスな言葉は、自分のストレスを他人に預ける行為に他ならない。
自分が楽になりたいがために、そのストレスを吐き出しているに過ぎない。
これはなにも解決しないのと同義だ。
みんなが生きやすくするためには男女関わらず、言葉の使い方と量を見直すべきである。
「沈黙は金。雄弁は銀」の真意

現在では、金である沈黙のほうが優秀ということだが、この言葉ができたときは、銀のほうが優秀と考えられていたという説がある。
なぜなら、当時は金よりも銀のほうが高価だったのだ。
だから雄弁こそ優れていると解釈されていたらしい。
こう考えると、時代によって沈黙か雄弁かを選択する必要があると言えるだろう。
過去は雄弁に語れる人が少なかったのかもしれない。だから雄弁が優れていると言われた可能性がある。
しかし現代では皆雄弁と言っていいだろう。
そんな中で冷静に時代を見据えるならば、黙して語らず、が適切と言えるかもしれない。
この情報社会を上手に生き抜くには、いかに情報に埋もれず自分の考えを持つかいうことに尽きる。
そのためには言葉の量を減らし、本当に大事なものに時間を割くほうが、今の時代に合った正しい生き方なのだ。
人生が何かうまくいかないと思うなら、とりあえず沈黙してみることをオススメする。
