【書評】ノーベル経済学賞受賞『気候カジノ 経済学から見た地球温暖化問題の最適解 ウィリアム・ノードハウス著』を読んだ感想。

「気候カジノ」を書評するパンダ
 
パンダ
気候カジノってなんだ?

今回の書評は「気候カジノ」である。ノーベル経済学賞を受賞した本だ。

まずは「気候カジノ」という言葉について説明しておこう。

本書では、「我々は気候カジノに足を踏み入れつつある」という比喩を使う。この表現を通じて私が言おうとしていることは、経済成長が気候システムと地球システムに意図せぬ危険な変化をもたらしているということだ。そうした変化は、我々が予想し得なかった、おそらく深刻な結果を招くことになる。我々は気候のサイコロを投げている。その結果は数々の「サプライズ」を引き起こし、場合によっては深刻な事態を招く恐れもある。だが、気候カジノには足を踏み入れたばかりだ。今なら向きを変え、そこから出ることができる。

では、内容を見ていこう。

なぜ二酸化炭素排出量は増えているのか

パンダ
二酸化炭素が増えてるなら減らせばいいだけじゃないか。

二酸化炭素問題を一言で説明するとこういうことだ。世界の国々は(慢性的な経済不振にあえいでいる国があったり、景気後退などで一時的に経済が停滞することはあるものの)経済的に急成長を遂げている。成長の主要原動力は、石炭や石油などの化石燃料の使用によって生み出される。エネルギー効率は時代とともに向上しているが、そのスピードは排出量の増加を食い止めるには不十分だ。そのため、二酸化炭素の総排出量は増加の一途を辿っている。

二酸化炭素の排出量が増えて地球が温暖化しているということは誰でも知っていることだろう。しかし、それに対して対策ができていないのはなぜだろうか。それはがかかるからだ。

太陽光などの再生可能エネルギーに切り替えれば温暖化の問題はクリアできるかもしれない。だが、再生可能エネルギーには金がかかる。だからどの国も未だに二酸化炭素を吐き出し続けているのだ。

わかっちゃいるけどやめられない。

何よりも重要なのは経済活動なのだ。国民を豊かにするためには経済活動を止めたり鈍化させたりするわけにはいかない。いや、そういった強迫観念に苛まれているのだ。

解決するには、再生可能エネルギーなど、金のかからない代替エネルギーをいつまでに人間が準備できるかによる。人間の進化が先か、温暖化が先か、答えはただそれだけであるような気がする。

今後100年で地球温暖化はどのくらい進むのか

パンダ
100年後、オイラ生きてるかな。

地球温暖化政策が実施されなかった場合、中位推計では、2100年までに世界の平均気温は1900年の水準を3.5℃上回り、この予測に関しては大きな不確実性があるということだ。しかし、すべての経済モデルとすべての気候モデルが完全なる間違いを犯しているのでない限り、地球温暖化は今後数十年間で加速し、気候の状況は近年経験したことのない水域にあっという間に達してしまうだろう。

100年後のことなどわからないし、3.5℃の上昇がどの程度地球に影響するのかもはっきりとはわからない。それが一般人の見解なのではないだろうか。

夏と冬で20℃も30℃も変化することを体験している。しかし、平均気温3.5℃の変化というものが自分の身体に与える影響などわかるはずもない。

この「わからない」というところが恐いところだ。あとで取り返しのつかないことになっていなければいいが。

地球温暖化に対して各国はどのように対策すべきなのか

効果的な地球温暖化政策の策定には、四つの重要なステップが求められる。第一に、市場における二酸化炭素やその他の温室効果ガスの価格を引き上げること。第二に、自由市場は二酸化炭素の価格を引き上げてはくれないため、国々がキャップ・アンド・トレードか炭素税制度を使って炭素価格を引き上げること。第三に、ほとんどの国が最初の二つのステップに合意し、国際レベルで互いの政策を協調させること。そして最後に、国際的な気候変動協定が、ただ乗りを抑制するための効果的なメカニズムをもつことだ。

おそらく各国の足並みが揃うことはないと思う。どの国も自分たちの経済成長を優先せざるを得ないのだ。本当に危機であることを地球人全員が肌で感じるところまで行かないと、世界が地球温暖化について本気で取り組むことはないだろう。

宇宙人が攻め込んでくるような、地球人全員の意識が統一できるような出来事が起こらない限り、現状は変わらないはずだ。それだけ人間は愚かで、自分がいちばんかわいいものなのだ。

手遅れになる前に、どこかの国がリーダーシップを発揮して地球が直面している問題について解決の糸口を見出してほしい。それが日本であればなおさら良い。

おわりに

最後に、地球温暖化を防ぐための対策を表した文を引用して締めるとしよう。

人類は地球を危機に陥れている。しかし、今やっていることを元に戻すことはできる。しかも、我々が地球温暖化の現実的な脅威を受け入れ、二酸化炭素の排出にペナルティーを科す経済的仕組みを導入し、低炭素技術の開発に力を入れれば、それは比較的低いコストで実現できる。こうした取り組みを進めることによって、我々はこのかけがえのない星を守り、未来に残すことができるのである。

パンダ
地球、大事にしていこうぜ。
気候カジノ 経済学から見た地球温暖化問題の最適解

気候カジノ 経済学から見た地球温暖化問題の最適解

ウィリアム ノードハウス
発売日: 2015/03/20
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