【書評】『残酷すぎる成功法則 9割がまちがえるその常識を科学する エリック・バーガー著』を読んだ感想。

残酷すぎる成功法則 9割がまちがえるその常識を科学するを書評するPANDA
 
パンダ
おまえのその常識、まちがってるぞ。

今回の書評は、「残酷すぎる成功法則」である。

常識と思われていることが実は科学的にまちがっている、という主旨の本である。

成功を手にしたいと思っている人には必読の書だ。

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親切な人はこれだけ損をする! 残酷な統計

短期的には、嫌なヤツのほうがうまくいくことが多い。「懸命に働け、堂々と勝負しろ、そうすれば成功できる」と人は言う。残念ながら、それが間違っていることを示す証拠がたくさんある。人びとを対象に成功をもたらす要素は何かと尋ねれば、「努力」という回答が一位になる。ところが研究によると、それは大外れだという。

え、という感じではないだろうか。成功の要素は努力ではないらしい。続いて引用する。

上司に好印象を与えた者は、上司への印象を気にかけなかった者より高い勤務評価を得ることが調査で証明された。
多くの場合、これは昔から聞き覚えのある「ゴマすり」を意味する。上司への機嫌取りは効果的なのだろうか? お世辞は強力で、「たとえ見え透いていても」効果を発揮するとの調査結果もある。調査でお世辞が逆効果になる限界点を探ろうとしたが、なんと限界点は見つからなかった。

ここまで読んで、絶望を感じた人はおそらく真面目な人なのだろう。真面目に仕事をし、手抜きで仕事をしている人やゴマすりしている人を横目に見ては、ひたすら淡々と仕事をしてきた人ではないだろうか。

それが報われない可能性があるとこの本に書いてあるのだ。更に引用しよう。

人は「温かさ」と「有能さ」は逆の相関関係にあると認識している。つまり、誰かが親切すぎると、その人物はきっと能力が低いのだと推測する傾向があるのだ。現に、嫌なヤツのほうが、第三者には力があるように見えたりする。また、規則を破る者のほうが、従順な者より能力があるようにも見える。

このことから、嫌なヤツのほうがリーダーになる可能性を秘めており、昇進する確率も高くなるようだ。

なんだか世の中、まちがっていると思わないだろうか。能力や努力ではなく、ゴマすりのほうが評価が高くなってしまうのだ。本当にそうなのだろうか。利己的ではなく、利他的であれと様々な自己啓発本には書いてある。あれは嘘だったのだろうか。

しかし現実としては、短絡的には悪が勝つという一面があるようだ。

そこで子どもだったらこう聞くだろう。

「じゃあ、みんなが同じことをしたらどうなるの?」

与える人と奪う人

パンダ
与える人と奪う人。オイラはどっちだ?

統計は何を教えてくれるだろう? 善人は人生のレースで最下位になるのだろうか? 答えはイエス。しかし同時に一着でもある。

「成功」という尺度で見たとき、最下位のほうにいるのはどんなタイプの人なのかを解析するとじつに多くの「ギバー」がいることがわかったとのこと。

ここで言葉の解説をしておこう。あなたはどのタイプだろうか。

ギバー 受けとる以上に人に与えようするタイプ
マッチャー 与えることと受けとることのバランスを取ろうとするタイプ
テイカー 与えるより多くを受けとろうとするタイプ

ここでこの件を調査した、アダム・グランド教授の言葉を見てみよう。

それから、「ギバー」が敗者のほうにいるなら、最も成功している勝者には誰がいるんだろうと、スペクトラムの反対の端を見てみました。すると心底驚いたことに、トップのほうにいるのもまた「ギバー」たちだったのです。いつも他者を助けることを優先している人びとは、敗者ばかりでなく、勝者のほうにも多く登場していました。

さて、ここで少し混乱してきた。嫌なヤツのほうが上に行くという内容だったが、ここでは善人であるはずの「ギバー」最下位のほうと勝者側、両方に存在するということなのだ。そして嫌なヤツに分類される「テイカー」とバランスをとろうとする「マッチャー」は中間に位置するというのだ。

ひと言で言うとこういうことになる。

平均すると嫌なヤツはうまくやる。しかし、頂点のほうに位置するのはギバーたちなのだ。

では、上にいる「ギバー」と下にいる「ギバー」では何が違うのだろうか。

ここで最下位に終わるギバーについても触れるべきだろう。勝者になるギバーと、敗者になるギバーの違いは、決して偶然によるものではない。グラントによれば、あまりにも利他的なギバーは人を助けるために自らを消耗し、テイカーにつけ込まれ、成功からほど遠い業績しかあげられない。

利他的すぎるギバーは敗者となるが、適度に利他的なギバーは勝者となるということだ。しかし、あまりに適度に利他的であるとただのマッチャーになるだけであるため、やはりある程度身を削って人に奉仕するというのは必要だと思う。中途半端な奉仕では人の心に響くとは思えない。だが、やりすぎると自分が消耗するだけ。このバランスは難しい。

エビデンスからわかる最強の対人ルール

パンダ
で、結局どうすればいいんだ?

では成功するための対人ルールを見てみよう。

1、自分に合った池を選ぶ
2、まず協調する
3、無私無欲は聖人ではなく愚人である
4、懸命に働き、そのことを周囲に知ってもらう
5、長期的視点で考え、相手にも長期的視点で考えさせる
6、許す

こう見ると、嫌なヤツではなく利他的な人が最終的には成功するだろう、ということがわかる。少し引用しておこう。

忘れないでほしい。短期的には利己的な行いが利益をあげるが、最終的には良心的な行いが勝利をおさめる。だから、可能なかぎり、長期的なスパンで事を行おう。契約にはより多くの階段を盛り込み、将来にわたって関われるやり方で関係を結ぶのだ。

おわりに

この本では様々な項目について取り上げており、気になるものをあげておこう。気になる人は本書を手に取ってほしい。

・ギャンブルで「理論的に」勝つたった一つの方法
・「自分は死んでいる」と本気で思い込む人たち
・「理想の結婚相手」を見つける理論
・「面白い人」になる方法
・燃え尽き症候群の知られざる原因

タイトルには残酷すぎる、とあるが、そんなに悲観的になる必要はない。そういうものだ、そういう法則だ、と理解していれば対処できることは多いだろう。

最後にこの一文を紹介しておわりにしよう。

「人生で本当に重要な唯一のことは、他者との関係である」

パンダ
オイラは絶対成功してやる。嫌なヤツになればいいんだろ(笑)。
残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する

残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する

エリック・バーカー
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