【書評】30代40代の女性にオススメの小説はこれだ。『言い寄る 田辺聖子著』を読んだ感想。

「言い寄る」を書評するパンダ
 
パンダ
えーと、ブロガーの人って何者かな?

この本も「ブロガーの人(@blogger_no_hito)」の企画に当選した人の選んだ本だ。

当選者は「めぐみん氏(@megumincoach)」で、本は田辺聖子著の「言い寄る」である。

この企画についてのツイートを紹介しておこう。

では、書評をはじめる。

先に、この本を読んだ私の全体的な感想を述べよう。

この「言い寄る」には、砂のように渇ききった言葉と湿地のように濡れた言葉が入り交じり、読むものをその独特の世界観に引きずり込む力がある。渇いた言葉に傷つき、濡れた言葉に心を許す、そんなストーリーだ。おそらくこの本を読んだ女性は、登場人物の女性の中に自分自身を見るだろう。男性が読んだ場合、そんな女性に翻弄される自分を想像することができるだろう。
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あらすじ

主人公は31歳独身の女性、乃里子。友達の美々が彼氏に振られ、その別れ話に同席することになった。美々の彼氏にも「剛」という同席者がいて……。

あらすじとしてはこのような感じだ。何か起こりそうな雰囲気は感じてもらえるだろう。

タイトルも人を惹きつける魅力がある。多くの本は「〇〇の〇〇」といった具合に単語で言い切るものが多い。しかしこの本は見ての通り、たったひと言、動詞で言い切っている。

これだけで誰が誰に言い寄るのか、という想像をすることになる。恋愛小説としては、これ以上ないタイトルである。

惹かれた言葉その1「渇望」

パンダ
オイラの心も渇いてるぞ。

頸とか、肩とか、胸板とか、もっとほかのところも、じっくり見るわけ、そして、そういう私の切ない欲情に、五郎がちっとも気付いていないという、それも私を、よけい渇えさせるのである。そういうとき、人は無口になる。真の渇望は、人から言葉を奪ってしまう。

人から言葉を奪ってしまうような、真の渇望を知ったことがあなたはあるだろうか。大きなショックを受けたときに言葉が出ないことはあるが、ここにあるのは、そのようなショックにも勝るとも劣らないほどの渇きなのだ。

「真の渇望は人から言葉を奪う」、特別難しい表現ではないが、なかなか出てこない深淵なる言葉だ。

惹かれた言葉その2「言い寄りかた」

パンダ
で、誰が誰に言い寄るんだい?

(こんな、肉体での言い寄りかたもあるんやわ)
と私は、目がさめたように思った。これこそ、大人の言い寄りかただと思った。

こんな表現は見たことないと、この箇所を読んだときに思ったことだ。ここだけ切り取るとその前後がやたらと気になるかもしれない。

こういった言葉は恋をした女性だからこそ、出てくる言葉なのかもしれない。恋をしていなければこのような言葉は浮かびもしないだろう。

惹かれた言葉その3「空洞」

パンダ
えーと、誰が誰に言い寄ったんだっけ?

どんな男を持ってきても、何かスキマがあって、風が通ること。その空洞の型はぴったり、〇〇でないとうめられない型になっていた。

「〇〇」で名前は伏せた。

恋愛を経験したことがある人ならわかるだろう。世の中でたったひとり、その人でしか埋められない自分の心の空洞があるということを。パズルの最後のピースのように、そこに入る型は決まっているのだ。どんなに似た人でも合わない。ぴったり合っていなければ、心は受け入れることはできないのだ。

それはある種の思い込みなのかもしれない。本当はある程度の余裕があって、その型に近い人であれば許容することができるかもしれない。

しかし、理性ではそう思っていても感情ではそれを許容できないのだ。ただひとり、あなたでなければダメなのだ。

最後のピースはあなたなのだ。

パンダ
これを読めばきっと恋がしたくなる。知らんけど(笑)。
言い寄る (講談社文庫)

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田辺 聖子
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2018.09.30