【書評】あなたの心に火を灯す本。『堀江貴文著 ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく』を読んだ感想。

ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していくを書評するPANDA
 
パンダ
この本はおまえの心に火を灯すぞ。

どん底を知れば、あなたも行動せざるを得なくなる。

この本には堀江さんが刑務所に収監されていたときの話や、子どもの頃の話、家族の話、などプライベートな面が多く描かれている。

「ゼロ」

この本はひとりの男の半生を描いた物語だ。

すべてを失った男から、僕たちが学べることは少なくない。

冒頭の言葉を引用しよう。

これまで僕は、精いっぱい突っぱって生きてきた。

弱みを見せたら負けだと思い、たくさんの敵をつくってきた。

自分でもわかっている、どこまでも不器用な生き方だ。

そして僕は逮捕され、すべてを失った。

いま僕の心の中はとても静かだ。

久しぶりに経験するゼロの自分は、意外なほどにすがすがしい。

もう飾る必要はないし、誰かと戦う必要もない。

いまなら語れる気がする。

ありのままの堀江貴文を。

それは僕にとっての、あらたな第一歩なのだ。

嗚咽号泣した孤独な夜

手をついて嗚咽する人
パンダ
ホリエモンでも泣くんだな。

拘置所内の独房で眠れずにいたときの話だ。日々取り調べが続き、それ以外は人と話すことも許されない、そんな状態が続くとさすがの堀江氏でも辛かったようだ。

目が冴えてしまい、布団に入ってもまったく眠気がやってこない。
早く寝ようと思うほど、精神が高ぶってくる。
そのまま何時間も悶々としていたところ、刑務官の規則正しい足音が歩み寄り、ドアの前だ立ち止まった。
……うなり声が漏れてしまったのか。
深夜の拘置所内に、一瞬の静寂が流れる。
すると刑務官は、食事用の穴から囁くように語りかけてきた。
「自分にはなにをしてあげることもできないけど、どうしても寂しくて我慢できなくなったときには話し相手になるよ。短い時間だったら大丈夫だから」
ぶわっ、と涙があふれ出た。

刑務所に入ったことはないから想像するしかないが、孤独というのは精神にこたえると思う。外の世界でさえ、孤独を感じることは多々ある。それだって辛いものだ。だが、外の世界なら他に逃げ場がある。孤独を感じたならどこか逃げ込める場所を探せばいいだけ。しかし刑務所や拘置所の中ではそうはいかない。

そうやって想像して自分がその立場だったらと考えると気分が悪くなる。自分だったら到底耐えられないだろうと思う。堀江氏でさえ、嗚咽号泣するほどなのだから。

話は少しそれるが、自分はやっていないのにやりました、と自白してしまう人。その気持ちがなんとなく想像ついた。

刑務所拘置所の話はこちらに詳しく書かれているから見てほしい↓

やりたいことがないは真っ赤な嘘だ

オオカミに追い掛けられる嘘つき少年
パンダ
やりたいことがないってのは「逃げ」だな。

やりたいことがない。就きたい仕事が見当たらない。はたして、その人はほんとうにやりたいことがないのだろうか? 僕はこんなふうにたずねる。
「きみは好きな女優さんはいる?」
「ええっ?、まあ……新垣結衣さんとか」
「なるほど、ガッキーが好きなのね。じゃあさ、ガッキーと会ってみたいと思わない?」
「それは、会いたいです」
「じゃあ、どうやったら会えるようになるだろう? たとえはガッキーと共演できるような俳優さんになるとか、ガッキー主演の映画を撮る監督さんになるとか、テレビ局で働くとか、いろんなみたいがあるよね。それができたら幸せだと思うでしょ?」
「え、ええ。でも僕にはとても……」
「ほら、きみだって『やりたいことがない』わけじゃないんだ。問題は『できっこない』と決めつけて、自分の可能性にフタをしていることなんだよ。別に俳優さんになれとは言わないけど、ちょっと意識を変えてみたらどうかな?」

「やりたいことがない」、というのは「やりたいことはあるけれど失敗するかもしれないからやりたいことはないっていっておいたほうが楽だ」ということなのだろう。世の中はそういう人ばかりだから、誰かにやりたいことを相談したところで、無理に決まっているだろ、とか、夢を見てんなよ、とか言われるんだろう。

本当にやりたいことを自分の心に聞いてみて、それがはっきりしたら誰かに相談などせず、ひたすら突っ走ることが大事かもしれない。誰かに相談したことで、自分の考えに不安になってしまったり、躊躇してしまうようなことになれば、やりたいことには一生手が届かないかもしれない。

でもわかる。やりたいことがあると大風呂敷ひろげて、結果失敗したときのダメージは計り知れないから。それが嫌だからみんな、やりたいことはないといって自分は何も成し遂げず、ツイッターなんかで著名人にケチつける、というようなことをするんだろう。

ただ、この「失敗」って人によってとらえ方が違うと思う。きっと、堀江氏とかガンガン稼いでいる人たちって失敗しても、そういうこともあるといって次に進むことができる人たちなんだと思う。そうじゃない人は「失敗」を人生の一大事にしてしまい、次に進めなくなってしまうのではないだろうか。失敗の数だけとったら、一般人よりも堀江氏のほうが多いはずだ。

だから、やりたいことをしっかり見つけてそれを実行していく、これしかないだろう。これが他の誰でもない、自分自身のためになるはずだ。

離婚したあとに残ったもの

離婚届とハンコと指輪
パンダ
この本、さみしい箇所が多いな。

堀江氏は過去に結婚していたことがある。できちゃった婚だったらしくお子さんもいる。しかし多忙な毎日を過ごすうちに結婚生活が破綻し、2年ほどで離婚に至ったらしい。

ここから人生最大の孤独に襲われることになる。妻と子どもの出ていった空間の、残酷なまでの広さ。子ども用のおもちゃ、カラフルな飾りつけ、妻の雑貨などがなくなった部屋の、絶望的な静けさ。(中略)
そんなある日、何気なく開けた引き出しの中から、1枚の写真が出てきた。カメラに向かって無邪気な笑顔を見せる、息子の写真だ。写真を持つ手が震え、膝が震える。もう二度と、この子に会うことはできない。会ってはいけないと、理性の頭がそう言っている。しかし、感情は大きく揺さぶられる。自分が失ったものの大きさに、打ちのめされる。

子を持つ親であれば、この恐ろしさというのは想像に難くないと思う。もし自分がこうなったらと思うと、背筋がぞっとする。それと同時にこれを読んで、「ホリエモン」も人の子なんだな、と安心した人もいるのではないだろうか。

こういった出来事を経験した堀江氏だが、他者やアルコールに救いを求めることはやめて、孤独と正面から向き合おうと決めたそうだ。これはどんな状況であれいえることだ。別に離婚してても結婚してなくても、何かに依存していれば自身を成長させることは難しく、常に何かと向き合っていくことが必要だ。

このあたりの切り替えの速さが、ホリエモンをホリエモンたらしめている何かなのかもしれない。絶望を味わったらしばらく動けなくなるのが普通。そこで素早く論理的に動くことができるというのは、やはり地頭の良さも関係してくるのだろう。

頭が悪ければ切り替えも遅く、次に進むまでに余計な葛藤や逡巡が生まれてしまい、なかなか先に進めないことがあると思う。やはり基本的な頭の良さというのは何においても必要なのかもしれないとこれを読んで思った。まあ、それだけじゃないはずだが。

おわりに

心にポッカリ穴が開いた男性

この本はひとつの小説のように、男の半生を描いた物語である。

あなたも読めば、心を何度も揺さぶられることになるだろう。

最後に「おわりに」から引用しておわりにしよう。

自分の人生を動かすことができるのは、あなただけなのだ。

「はたらこう」

パンダ
ゼロになっても大丈夫。必ず這い上がれる。そうホリエモンが言ってるよ。