
ホリエモンが塀の中にいたときのことを知りたい人はこの本がおすすめ。
あえておもしろおかしくあの時のことをホリエモンが語っている。
毎日書き続けた獄中日記をそのまま掲載しているから、リアルな塀の中の実状を知ることができる。
モヒカン頭で報道陣にもみくちゃにされて出頭!
出頭した日のことがここでは書かれている。検察事務官に言われた言葉が印象的。
6月20日(月)
社用車から弁護士会館前に降り立った私を出迎えてくれたのは、多数のマスコミと支援者の人たち。(中略)
各種書類をチェックしたら、手錠をはめられてそれを隠すための布をかけられて、B2の駐車場から東京拘置所へ。入口あたりに報道陣が若干いたけど大した数ではない。そのまま内へ車を降ろされ手錠を外される。手錠を付けた状態でボックス車の後部座席に乗せられていたのだが、キツくて仕方なかった。
そういえば、ノリでモヒカン一日限定にしていたのだが、怒られると思ったら「逆に人ごみの中で見つけやすかったよ」と検察事務官に言われた。なるほどなー。
この本を読んでわかることは、検察や刑務所で働く人たちは何もみんなが固い考えを持っている人ばかりではない、ということだ。
外から見ていると頭の固い人ばかりだと思うが、実際は人間的な一面を持った人も多い。
これも中にいるからこそわかることなのだろう。
刑務所内ではテレビも新聞も見られる

ホリエモンの心の声
そんな折にとびこんできたスティーブ・ジョブズの訃報はショックだった。残念だ……。こんなの独房で聴くようなニュースじゃない。切な過ぎる。自分はあと二年刑務所の中と思うと気が滅入る。
しかし落ち込んでいても何も始まらない。ロシアロケットの父といわれるセルゲイ・コロリョフもシベリアに数年拘禁され、帰ってから世界初の衛星有人宇宙飛行の偉業を成し遂げた。
コロリョフにならって気合を入れねば。
刑務所の中にいても外の情報は入ってくる。このときはスティーブ・ジョブズの訃報だった。
ホリエモンでも気が滅入るのか、と思ったが、何かを聞いて心が曇るとき、今の自分と今後の自分を考えるのだろう。この時点で刑期はあと2年。独房で想像する2年というのは絶望的な長さだ。
このような心情はこの本でしか知り得ないことではないだろうか。
田原総一朗が面会で質問攻め

午後は田原総一朗さんが面会に来てくれた。なんかウチの工場でヨレヨレの高齢者ばっかりを見ているからか、田原さんが随分若々しく見えた。刑務所で70歳OVERは掛け毛布とメリヤスが1枚ずつ増枚されるのだが、そんな年齢には見えないなぁ。相変わらず、ものすごい好奇心で質問攻めにあった。さすがに刑務官も田原さんクラスになるとみんな顔を知っているから「あの田原さんが……」的リアクションになりつつ、それでも職務的には平静をよそおわなければならない感じが出ていて、なかなか興味深い体験であったよ。
田原総一朗がきたことについては漫画にもなっているのでご確認いただきたい。ここがこの本でいちばんおもしろいポイントだろう。
おわりに
この本は「2」がある。まだまだ刑務所での話は終わっていない。
ここではホリエモンが刑務所で思ったことでいちばん印象に残ったことを引用しよう。
刑務所にいてもやがてこう思うらしい。
もっと仕事がしたい!
