【書評】『半沢直樹 アルルカンと道化師 池井戸潤』を読んだ感想。1枚の絵画を巡った壮大な感動ストーリー。ドラマにするより映画化を切望。半沢ファン必読のオススメ本。

『半沢直樹 アルルカンと道化師 池井戸潤』
パンダ
今回の作品は少しテイストが違いましたね。

今回の書評は『半沢直樹 アルルカンと道化師 池井戸潤』だ。

あの半沢直樹の最新作である。

過去作品も刺激に満ちた傑作だったが、本作はそれを超えていると言っていいだろう。

本作では、1枚の絵画を巡って、融資や買収などの駆け引きが巻き起こるという内容だ。

殺伐とした銀行内のやりとりはもちろんあるが、絵画に秘められた謎が徐々にあきらかになるにつれ、どこか悲しく寂しくも感じる作品に仕上がっている。

誰もが次のドラマ化を望むであろうが、私としてはドラマよりも映画化のほうがこの作品には向いていると思う。

それはあなた自身が読んでみて、判断してほしい。

『半沢直樹 アルルカンと道化師 池井戸潤』がオススメの理由

池井戸作品はすべて、登場人物がとことん追い詰められて追い詰められて、しかし、最終的に大逆転をするという構成のストーリーである。

ジェットコースターのようなめまぐるしく展開が変わるストーリーが魅力なのだ。

本作の中で、半沢直樹をひと言で表す一節を引用しよう。

基本は性善説。しかし、降りかかる火の粉は徹底的に振り払う――それが半沢直樹の流儀である。

半沢直樹は傍若無人に見えるが、その軸は性善説であることがキャラクターの魅力を最大化することに成功している。

ただの倍返しだけするの行員であれば、誰も魅力は感じない。

むしろ浅薄に見えてしまうはずだ。

だが、半沢直樹は周囲の善意ある人は必ず守る。

今作でも部下をしっかりと守ろうとする姿が描かれている。

こんな上司がいたら、と勤め人は思うはずだ 笑。

次の引用は別の人物のセリフだが、これも勤め人がよろこぶセリフだろう。

サラリーマンの人生は人事で決まる。故に人事は公正でなければならない。

これは物語の重要な点なのであまり詳しくは言えないが、こういう会社であれば誰もが働きやすいと感じ、やりがいも得ることができるだろう。

実際のところはそうではないはずだが……。

本作は勤め人には是非読んでいただきたい内容になっている。

きっと、誰かの顔が浮かぶだろう。仕事ができるあの人のことや、上司に媚ばかり売っている人のことなどが。

また、顔と言えば、どうしてもドラマのイメージが強すぎて、ドラマに出る役者たちの顔が次々と出てきてしまうのは言うまでもないだろう。

更に、大和田は今作に出ていないのに、たびたび香川照之の顔が浮かんでしまうのも、もう半沢直樹に取りつかれてしまっていると言っていいだろう。

おわりに。半沢直樹を映画化するなら

もしかりに半沢直樹を映画化するなら、小栗旬あたりが画家の役をやると作品がぎゅっと引き締まる気がする。

ドラマになるにしても仮に映画になるとしても、楽しみであることには変わりないが。

まずは本作を読んで、文字の半沢直樹を堪能してもらいたい。