【書評】『夢をかなえるゾウ4 ガネーシャと死神 水野敬也』を読んだ感想。シリーズ史上いちばん泣ける名作。人生を見つめ直したい人にオススメの本。

『夢をかなえるゾウ4 ガネーシャと死神 水野敬也』
パンダ
涙が止まりません。

今回の書評は『夢をかなえるゾウ4 ガネーシャと死神 水野敬也』だ。

もう知らない人はいないであろう、あの夢をかなえるゾウシリーズの最新作である。

神様であるガネーシャが夢をかなえたい人間の元に降り立ち、その人間にいくつもの課題を与えて成長させる、というストーリーである。

ただこのガネーシャは一筋縄ではいかない性格の持ち主で、およそ神様とは思えない言動を繰り返すのだ。

そのガネーシャに翻弄されながらも、課題をクリアしていくごとにその人間は成長していく。

その課題はその登場人物のためではなく、あなたが成長するための課題でもあるのだ。

本書を読むことで、何か大事なことを掴むことができると思う。

本書の中で私が気になった一文を引用しよう。

「死は人生の終末ではない。生涯の完成である」

『夢をかなえるゾウ4 ガネーシャと死神 水野敬也』がオススメの理由

本書がオススメの理由は、泣けるから、である。

昨今泣ける本というのは減っている気がする。それは私だけだろうか。

本を読むことに私が飽きてしまっているのかもしれない、とも思うが、いや、やはり泣ける本というのは確実に減っていると思う。

そんな中、本書は多くの人が涙を流すことができる本に仕上がっている。

かんたんなあらすじを書いておこう。

主人公は妻と娘を持つサラリーマン。ある日病院に行き、医師から余命を告げられる。
その後、主人公の前に神様と名乗るガネーシャが現れる。
ついでに死神も。
そこから主人公は余命を意識しながら、ガネーシャから与えられた課題に取り組んでいく。
果たして主人公はどんな人生の終わりを迎えるのか。
そして死神がいる理由とは――?

ストーリーはシリーズを継承したもので、ガネーシャにより主人公が成長する、という形を守っているが、今作は今までよりも「死」というテーマを深く扱っている。

人な必ずいつか死ぬのだが、みんなそれを忘れて暮らしている。

死を悪いものと決め付けて生きている。

死を必死で遠ざけようとして生きている。

そんな「死」に対しての気づきを与えてくれる作品に仕上がっている。

あなたも本書を読めば、自分の死について意識することだろう。

死を忘れてしまうと生がいつまでも続くような錯覚を持ってしまう。

人間は期限がなければ成長しない。

仕事でも勉強でも締め切りは必ずある。

それは締め切りがあるほうが人はがんばれるからだ。

逆に言えば締め切りがなければ自分に対して甘えが出てしまうからだ。

人生には期限があるのだ。

みんな忘れているが期限があるのだ。

それを本書は思いださせてくれる。

人生がつまらない、おもしろいことがない、そんなふうに感じている人に是非読んでほしい。

必ず何か自分の心に響く言葉があるはずだ。

人間関係に疲れている人にもオススメだ。ガネーシャの言葉を引用しよう。

「人を嫌ったり、人の行動にイライラしたりするちゅうんは、知らず知らずのうちに他人に完璧さを求めてもうてるちゅうことや」

誰もが人にイライラすることがあるだろう。

そんなときは他人に対して必要以上に期待してしまっているときだ。

期待は捨てよう。

そのほうが断然生きやすくなる。

他人はどうでもいいということではない。

自分のことに集中しようということだ。

死を意識すれば否が応でもそうなるはずだ。

だって、残り時間が少ないのだから。

もう一つ印象的なセリフを引用しよう。

「今、世の中の人が感じている苦しみの多くは『夢』が生み出している」

これだけを見ると、何を言ってるんだ夢は絶対必要だ、と言う人もいるかもしれない。

著者も最後の章を書くにあたり、断り書きを入れている。どうしてもかなえたい夢があるならこの先は読まないでほしい、と。

ただ、私が思うに、夢があってもなくても読むべきだと思う。

読みきることで、夢を見直すきっかけになるかもしれないし、より夢を大事にできるかもしれない。

最後まで読みきって「死」を意識し、そしてそこから「生」を強く意識できるようになるはずだ。

読みきって涙を流し、自分の心の中にあるわだかまりのようなものを出しきってほしい。

最後に、本書のいちばんのポイントである一節を引用して締めるとしよう。

「ところで、さっきの返事をまだもらってないんだけど、付き合ってもらえるのかな?」

パンダ
嗚咽……。