【書評】スキンシップは超重要。子育てに悩む親にオススメの本。『子どもの「脳」は肌にある 山口創著』を読んだ感想。

子どもの「脳」は肌にあるを書評するPANDA
 
パンダ
子どもって肌に脳があるのか?

この本のタイトル「子どもの「脳」は肌にある」はもちろん比喩である。

子どもは肌への接触により脳が成長する、ということだ。表現をかえれば、肌への接触により心が育つ、ともいえる。

子を持つ親にとってこの本は必読の本である。

触れない育児法

泣く赤ちゃん

育児法は時代によって変化していくものだ。過去には子どもに触れない育児法というものがあったらしい。

アメリカの行動主義の先駆者である心理学者のワトソンも、子どもに触れない育児法を推奨した。彼が1928年に出版した本には、「子どもに抱っこやキスをしないこと。あなたの膝の上に座らせないこと。もしどうしてもキスする必要があるなら、おやすみ前に一度だけキスしてもよいでしょう。でも朝になって、おはようと言うときは握手にしなさい」と書かれている。子どもには理性的判断に基づいて接するべきである、と主張したのである。

このように育てられた子どもはどうなったと思うだろうか。

答えは次のとおり。

5年から10年ほど経つと、子どもを巡るさまざまな問題が、社会問題として浮かびあがってきたのである。
たとえば、アメリカの心理学者プレスコットは、不安や抑うつが非常に強く、また他人と良好な人間関係を築けない子や、感受性に乏しく、周囲のことに関心をもてないような子どもが増え、成長してからも多くの問題を次々に起こすようになってしまったと指摘している。

他にも要因となるものはあると思うが、子どもに触れない、ということが、子どもの心になんらかの悪い影響を与えてしまうのはまちがいないようだ。

昔の日本でいえば、べったり育児が伝統だった。家事をするときもおんぶ、母親が抱けないときは祖母にまかせる。そして母乳を与えるときも当然接触し、寝るときも「川」の字になって添い寝をする、これが日本の伝統の育児だった。

しかし、戦後、欧米の影響が入ってきてからは、育児法にまで変化があったそうだ。

ここで思うのはただひとつ。

時代によって育児法はかわってくるため、親である人は何が正しいのか、何が自分の子どもに合っているのか、を常に考えながら子育てをしなければならない。

誰が何といっていようと、最終的に育児法を選択するのは親であるあなたなのだから。

パンダ
いろんな育児法に惑わされんなよ。

「思いやり」は「思いやられる」ことでしか生まれない。

赤ちゃんと遊ぶパパとママ

これはさまざまな人に読んでほしい章だ。

「思いやり」は、「思いやられること」でしか生まれない。生まれたばかりの乳児にとって最初に経験する「思いやり」は、泣いたり笑ったりしたときに、親がとってくれた対応である。「泣く」という行動は、不快や苦痛や恐れの表現であり、同時にそれらを取り除いてほしいという欲求でもある。
その気持ちに親が反応・共感し、不快の原因を取り除いて心地よい状態にしてあげることによって、子どもは共感的に理解してもらったと感じる。すると子どもの情緒は安定し、不快なときにはいつでも親が対処してくれる、という基本的信頼感をもつようになるのである。

子を持つ親、部下を持つ上司、生徒を持つ教師、このような人は、まず「思いやる」ということを頭に入れておいたほうがいい。部下なのだから上司を敬って当たり前、などという傲慢な態度は部下を育てることにはつながらず、逆に部下から上司への不信感を増幅させることにつながるだろう。

「思いやり」はまずこちらから届けることが何より大事なことなのだ。

パンダ
当たり前のことだよな。いうまでもない。

見直したい日本の伝統的スキンシップ法

赤ちゃんをおんぶする母親

たとえば日本人に好まれる「添い寝」は、身体的な触れ合いの中でも最も密着度の高い行動のひとつである。日本ではすでに平安時代ごろから添い寝の習慣が見られた。
添い寝には赤ん坊の状態をいち早く察知できるという利点がある。(中略)
「抱っこ」や「おんぶ」についても、「子どもを抱くと抱き癖がつくからあまり抱いてはいけない」という意見もある。しかし抱き癖がつくことよりも、抱かれ足りないことから起こってくる将来的な心の問題のほうが、はるかに深刻であることは、これまで繰り返し述べてきたとおりである。

これら日本の伝統的スキンシップは欧米の文化の浸透とともに、減ってきている。ともすると、今現代、日本が抱える心の問題はこれらの伝統的なスキンシップにより解決するのではないか、とふと思った。

人と人のつながりが希薄になり他人に興味を示さなくなったといわれているが、それはもしや、親が子どもに興味を示さずスキンシップをしてこなかったことが弊害を生んでいるのかもしれない。

ただ大人になってからも、スキンシップというのは効果があるらしい。たとえば、落ち込んでいるときに誰かに肩を「ポン」と叩かれたとき、ほっとした経験はないだろうか。あれも理にかなっていて、スキンシップによって心に余裕が生まれることによるものらしい。まあ、肩を叩くのは誰でもいいというわけではないだろうが。

おわりに

子どもがころんだりして痛がっているときのあれ、親なら誰しもやってことがあると思う。

「いたいのいたいのとんでけ」

手で痛がっているところに触れてあげることで、痛みを和らげる効果があるという。

触れるという行為は、相手の心を癒す効果を持っているため、子どもでも大人でも有効に活用していくべきなのだろう。

パンダ
子どもと頬がすり切れるくらいスキンシップしていこうぜ。
子供の「脳」は肌にある (光文社新書)

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山口 創
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2018.07.28