【書評】田端大学課題図書『戦争広告代理店 情報操作とボスニア紛争 高木徹著』を読んだ感想。(オススメ本)

戦争広告代理店 情報操作とボスニア紛争を書評するPANDA
 
パンダ
戦争広告代理店……、ってなんじゃい!

今回の書評は「戦争広告代理店」である。この本はZOZOの田端氏が主宰する「田端大学」での課題図書となった本だ。

私は田端大学に入っているわけではないが、課題図書という響きに懐かしさを覚え、本書を読んでみた。

まず、ボスニア紛争について引用しておこう。

ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争(ボスニア・ヘルツェゴビナふんそう、Bosnian War)は、ユーゴスラビアから独立したボスニア・ヘルツェゴビナで1992年から1995年まで続いた内戦。単にボスニア紛争とも呼ばれる。
1991年に勃発したユーゴスラビア紛争にともなうユーゴ解体の動きの中で、1992年3月にボスニア・ヘルツェゴビナは独立を宣言。当時、同国には約430万人が住んでいたが、そのうち44%がボシュニャク人(ムスリム人)、33%がセルビア人、17%がクロアチア人と異なる民族が混在していた。ボシュニャク人とクロアチア人が独立を推進したのに対し、セルビア人はこれに反対し分離を目指したため、両者間の対立はしだいに深刻化。独立宣言の翌月には軍事衝突に発展した。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

戦争広告代理店を読んだ私の感想

パンダ
感想をイイ感じにまとめたぜ。

では次に、この本を読んだ私の感想を述べよう。

私がこの本を読んで心に沸き上がった感情は、悲しみである。ひとつの出来事が何者かの情報操作によって出来上がっていることを知り、そこに人生の悲しみと虚しさを知ってしまった。
誰かにとって都合の良い真実があり、誰かにとって都合の悪い嘘があるということ。このボスニア紛争だけでなく、太平洋戦争での日本、冷戦、アポロ計画陰謀論、イラクの大量破壊兵器、9.11、など数々の出来事には情報を操作しようとした人物がいると思わざるを得ない。それほど情報操作というのは重要であり脅威であるということだ。これから日本が世界で戦っていくには、いかにPRし、いかに他国のPRに負けないか、がまさに死活問題となるだろう。はたまたすでに時は遅く、手遅れになっている可能性はあるが……。
この本を田端氏がおすすめするものわかる。きっと今の日本のPR戦略を憂いているのだろう。

情報操作の事例を見たいならこの本もおすすめ↓

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PRや情報戦は「虚」の戦い

パンダ
何が「虚」で何が「実」かなんてわからんよ。

序章の著者の言葉を見てみよう。

人々の血が流された戦いが「実」の戦いとすれば、ここで描かれる戦いは「虚」の戦いである。PRや情報戦が、「実」の戦いの帰趨のすべてを決めるわけではない。しかし、「虚」の戦いが「実」の戦いの行方に大きな影響を与えることも事実だ。「情報の国際化」という巨大なうねりの中で「PR」=「虚」の影響力は拡大する一方であり、その果実を得ることができる勝者と、多くを失うことになる敗者が毎日生み出されている。今、この瞬間も、国際紛争はもちろん、各国の政治の舞台で、あるいはビジネスの戦場で、その勝敗を左右する「陰の仕掛け人」たちが暗躍しているのだ。

この本のポイントは情報操作という点だ。目に見えている事実は、誰かによってつくられた事実であることは多いということだ。これは紛れもない事実であり、真実である。

私たちはこれに抗うことができるのだろうか。巧妙に仕掛けられたPR戦略を私たち一般人が看破し本当の真実をあぶりだす、そんなことができるとは思えない。

私たちができることは、「陰の仕掛け人」の触手が自分に襲いかからないことを祈るだけだ。

情報操作の巧妙さ

パンダ
情報操作にはテクニックが必要なんだな。

彼のメディア戦略の巧妙さにはしてやられました。たとえば、ある日の交渉で彼を徹底的に論破したことがありました。報道関係者も誰もいない、私たちだけのその席で、彼は黙って私の話を聞いていました。交渉は私の勝ちなのです。ところが、いざ話を終え、部屋を出て待ちかまえているテレビのカメラの列の前に出た瞬間、彼は態度を一変させました。強い言葉で私を罵倒し非難するのです。その内容はどうでもいい、要は彼が強い口調で私を論破しているかのような映像がカメラに収められ、世界に配信される。それが彼の狙いだったのです。ボスニア・ヘルツェゴビナの首相が、そのようなテクニックをいったいどこで身につけたのか不思議に思いました。

ここにあるようなテクニックは日本人から見れば、卑怯とか、正々堂々としていない、というふうに捉えるかもしれない。実際、私はそう思った。

しかし、世界で自分の優位にコトを進めようとするならば、賢くときに冷酷に自分自身をPRする必要があるのだ。これは政治だけに言えることではない。ビジネスでも同じだ。自分の会社や商品を売り込むには、適切なPRが必要だ。

では、あなたは実際に上記のようなことができるだろうか。私はおそらくできない。何が正しいかはわからない。だが、世間から見た事実を得たいなら、PRをしてそれを正しいものだと世間に刷り込むしかないのだ。

おわりに

あとがきに著者の言葉が書かれているが、次の箇所に著者が言いたいことが詰まっている。

昨今の政府機関、とくに外務省の状況はもっとひどい。問題が起きるたびに後手に回るスピードの遅さ、すぐばれる嘘をついて自らイメージを悪化させる隠蔽体質、さらには見え透いた情報リークで気に入らない者を窮地に陥れる幼稚なやり方など、およそPR戦略というものが存在しない。アメリカ国務省やホワイトハウスが、しばしば民間のPR会社から優秀な人材を引き抜いて幹部に何人も起用するなど、万全の態勢で情報戦に備えているのと比較すると、その違いはあまりに大きい。
日本社会では、こうしたPR戦略の意識は未成熟だ。それは逆に本書に描いたPRの技術や考え方を駆使すれば、周囲に対して非常に大きなアドバンテージを得られることを意味している。

パンダ
大丈夫か、日本? 著者も田端氏もそれを憂いているんだろ。
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