西野亮廣氏といえば、お笑いコンビ「キングコング」の西野氏だ。
冒頭でナインティナインの岡村氏とモメたことについて書かれているので気になる方は是非。
だから、箱根駅伝は面白くない
この本を読んで思ったことは、「視点がすごい」ということ。
箱根駅伝についてこう書かれていた。
画面から伝わるはずのランナーのスピードを殺していた犯人はコイツ。白バイのオッサンの表情である。ここを改善すれば、ランナーのスピードが画面から伝わり、箱根駅伝が、もっと面白くなるに違いない。では、どうすればいいか?答えは簡単。白バイのオッサンには、白バイを降りていただき、代わりにママチャリに乗ってもらおうではないか。
これを読んだとき、白バイのオッサンがママチャリを漕いでいる姿を想像して笑ってしまった。

という感じで。
絶対、白バイ隊員はなくならないと思うが、なにかしら見せる手法を変えることはできると思う。だって、駅伝って常人の全速力くらいの速さで走っているのだ。それを体感できるような演出ができたら更にファンは増えるはず。
昔からあるものでも、まだまだ改善の余地はあるということがわかる事例だ。
次の箱根駅伝が楽しみだ。
勝てるところで勝つ

通知表でいえば「オール3」という状態が最も効率悪くて、他の教科なんて「1」でいいので、「4」を「5」にする作業をしたほうがいい。
ああ、すごいいいこと言っていると思った。
今の日本の教育、日本だけじゃないかもしれないが、平均であることが大事、みたいにな雰囲気というのがある。
でもそれだと本当に平均点の子どもばかりになってしまって、おもしろくないし、イノベーションを起こす人がいなくなってしまうだろう。
「ここなら勝てる」というところを探してそこで努力すべきとのこと。西野氏にとってはそれが「絵本」だったとのこと。
そしてプロに勝つには時間しかないと考え、4年半の歳月をかけてページの絵本を完成させた、と。
この信念がすばらしい。
4年半も結果が出るかどうかわからないことに没頭するということは、かなりの難易度だと思う。
イジメの終わらせ方
イジメは大昔からあるらしい。だが未だにイジメはなくならない。
イジメを無くそうとする人達は、これまでずっと弱い側……つまりイジメられっ子側の気持ちに立って、イジメを見てきた。だけど、それでは解決策が出なかったわけだ。ならば思いきって、イジメって子側に立ってイジメを見てみるとどうだろう? すると見えてくる「イジメの正体」。結論を言うと、イジメは、イジメっ子からしてみれば「娯楽」なんだよね。お金もいらない、技術もいらない、工夫も要らない、とっても手軽にできる娯楽。そりゃ「イジメやめようぜ」ではイジメが無くならないわけだ。娯楽なんだもん。
イジメは娯楽だからなくならない、そして、なくそうとするならイジメという娯楽よりも楽しいものを与えるしかない、と。
イメージとしては、夢を追って忙しそうにしている子どもはイジメをしない、と思ってる。
何か目標や夢があれば、やることはたくさんあって、時間がいくらあっても足らないくらいだと思う。
だから、イジメをするのは暇なヤツ。
だから、暇を与えないよう目標を与える、ということが大人の役割なのだろう。
イジメについての私個人の見解は、「絶対にイジメはなくならない」と思っている。その理由は、大人もイジメをしてるから。それを見ている子どもがイジメをやめるわけがない。
例えば、会社での嫌がらせや仲間はずれもあるだろう。更に宗教同士の対立や、政治家同士の言い争い、これは子どもから見ればイジメと同じようなもの。
ちょっとした考え方の違いから、信じるものが違うというだけで、宗教同士で対立している。それはどんどんエスカレートして戦争へと発展する。
これを見たら、子どもはイジメのように感じてもおかしくない。また、政治家同士のきたない罵り合いも子どもには見せられたものではない。
これだけ大人同士がケンカしているわけだから、子どもの目から見れば弱いものイジメは大人もやっている、と認識してもおかしくない。だからイジメは絶対になくならないと断言できる。
対策とすれば、逃げ場を作ってあげるということくらいしかない気がする。イジメに合うから学校に行きたくないという子どもがいたなら、行かなければいい。
勉強などインターネットを使えばいくらでもできる。もはや学校の授業よりも自宅で勉強している方が効率的かもしれない。とにかく逃げ場はここ、と子どもにしっかり教えてあげよう。
戦争がなくならない理由
ここでは西野氏がタモリ氏から言われた言葉を紹介する。
戦争がなくならない理由は何だと思う? それはな、人間の中に『好き』という感情があるからだ。そんなものがあるから、好きな物を他人から奪ってしまう。また、好きな物を奪った奴を憎んでしまう。ホラ、自分の恋人をレイプした奴を『殺したい』と思うだろ? でも、恋人のことを好きじゃなかったら攻撃に転じることはない。残念だけど、人間の中に『好き』という感情がある以上、この連鎖は止められないんだよ。
タモリ氏らしい見解である。
LOVE&PEACEのLOVEがなくなれば、PEACEだけになるから平和になるとのこと。それは植物や動物の生き方だけど、それじゃあつまらないよね、と。
人間は何かが好きだから、何かが欲しいから争うものだ。あそこの土地が欲しいとか、あそこの原油が欲しいとか、そんな理由でずっと争ってきているのは誰もが知っていることだろう。
私が思うにイジメと一緒で戦争がなくなることはないと思っている。地球は広いですが、そこに70億人の人間が住んでいます。
これはどんどん増え、100億人、もしかしたらゆくゆくは200億人まで増えるのではないか。それだけ多くの人間がいるのだ。争いがなくなるわけがない。
仮にこの広い地球に3人しか住んでいなかったら、そして、その3人が出会うことがなければ戦争は起きないだろう。
しかし、たった3人でも出会ってしまったなら必ず小さな争いは起きるはず。
男ふたり女ひとりだったら、またはその逆でも、なんらかの争いは起こるということは想像に難くない。
で、西野氏なりの戦争をとめる方法は次の通り。
つまり、エンターテイメントが世界中の人間を感動させている瞬間だけは平和で、「だったら、その時間を長くすればいいじゃん」というのが僕の結論。
エンターティナーのみなさんにがんばってもらうしかない。
仕事になるまで遊べ
今後、親が子どもに言うのは「遊んでばかりいちゃいけません」じゃなくて、「仕事になるまで遊びなさい!」だね。どうやら面白い未来が待っているよ。
だいたい世の中で成功している人というのは、何かにひたすら没頭した人。それが小さいころからで長期に渡って没頭していたら、それはもの凄い積み重ねでとてつもなく遠くへ行くことができるのではないかと思う。
それを生かすも殺すも親次第。親である人はここをしっかり頭に入れてほしい。そうすれば子どもの未来が開け、あなたの未来も変わる。
まあ、私も親ですから身を引き締めないといけないと思っている。
子どもを見ているといつも思う。子どもの可能性を奪う権利は親にはない、と。とてつもない未来を子どもが見せてくれることを祈ろう。
最後に西野氏の言葉を引用しておわりにしよう。
あなたが何かに挑戦し、結果が出ずにジタバタしているとき、外野にいる連中は、「迷走してるの?」と、あなたのことを笑うだろう。そんなときは、こう返してやればいい。
「うん迷走してるよ。キミみたいに、誰かが舗装してくれた道を歩いてないからね」
大丈夫。きっと上手くいくよ。コケたら起きればいい。踏み出そう。ドキドキしてる?
