
今回の書評は、『頭の回転を速くする45の方法』だ。
仕事を効率よく進めたい、もっと仕事が早くできるようになりたい、そういった人にオススメの本である。
方法とあるが、考え方、も学べる内容になっていると思う。
Contents
頭の回転を速くするには、スキルを集まるだけでは意味がない

スキルアップ本を読んで、形だけならすぐに真似ることはできても、そこにある思考やマインドを真似ることは簡単ではない。
本を読んですべてを実践しようとは言わない。その中のひとつでもふたつでも、実際に使ってみることでそこに意味が生まれるのだ。
覚えたことを人に偉そうにレクチャーすることは無駄なのだ。なんのためにスキルアップしようとしたのかと言えば、自分を変えたいからに他ならないだろう。
自分のことだけに集中してみることで、人生が変わっていくはず。
頭の回転を速くするには、当事者意識が重要
なぜ当事者意識が大事なのか。それは、「思考を停止させない」ためだ。他人のせいにする、上司のせいにする他責にするのは簡単なこと。しかしそれは、自分の責任を放棄していることに他ならない。
これがなぜ頭の回転につながるのか、と思った人もいるかもしれない。
人間は他人の危機には本気になれないが、自分の危機には本気になる生き物だからだ。
ニュースなどで誰かが大変な事件に巻き込まれていたのを観たとして、あなたは自分のことのように感じることができるだろうか。ときには涙を流すことがあるかもしれない。
しかし、真に当事者の気持ちに同情することは不可能だ。あくまで他人だからだ。これは家族でも一緒。子どもが泣き喚いていてもその理由が完璧にはわからないだろう。
人間は自分の事、となった瞬間に眠っていた力を呼び起こすように普段以上の力を発揮する。危機回避能力である。これは特殊能力ではなく、誰にも備わっている力だ。
これを引き出すには、常に当事者意識を持って問題に取り組む以外にない。
頭の回転を速くするには、島田紳助の言葉を参考に
いくら頭で覚えようと思ってもダメ。心で覚えないと。頭で覚えたものは、いざというときに出てこない。しかし「心で覚えた」ものは、すぐに出てくる。結局使えるのは、心で覚えたものだけ」
これは島田紳助のお笑いの講義での言葉を引用したものだ。
要は瞬間的に動けたり言葉が出せたりしなければダメということだろう。お笑いで言えばボケに対してのツッコミだろう。
仕事の場合はありとあらゆる場面で即対応しなければいけないことがあるだろう。
何事も即対応できれば、自分が楽になるだけでなくまわりも楽になる。わかりやすいのが、この人に聞けば大丈夫だろう、である。
あなたの会社にはいるだろうか。この人に聞けばだいたい答えが返ってくるし、的確なアドバイスがもらえる、という人が。
こういった人は頭で覚えるだけでなく、実際に問題が起きたらどうしようか、というシミュレーションを日頃からしている人だ。
こんな人はまわりにいない、というならチャンスだ。あなたがそうなればいいのだ。あなたがそうなればあなたへの評価や尊敬が高まることは間違いない。
頭の回転を速くするには、問題を自分で探せ
学校では、問題というのは与えられるものである。自分で問題を作って、自分で解くということはない。
会社では、誰も問題を出してくれない。自分で問題を探さなければならない。問題が与えられると思っているなら、それはかなり危険な勘違いだ。
これは勉強はできるけど仕事ができない人の典型例だろう。テストの点数はいいが、仕事では使えないという人は案外多い。
それは問題を解くことしかしてこなかったために、自分から問題を探して解決しようという考えが生まれないのだ。ゆとり世代と揶揄された世代がこうなのかもしれない。
社会に出れば積極的に問題を作る側にまわらないと成長は見込めない。間違ってもおかしな問題を起こす側にはまわらないように。
