
今回の書評は『頭に来てもアホとは戦うな!田村耕太郎著』だ。
この本は会社で上司や同僚にイライラしてしまう人、家族に対して不満がある人など、人間関係で悩む人にオススメの書だ。
まず、冒頭から著者の問いかけを引用しよう。
自分に、こう問いかけてみてほしい。
怒りや悩みで時間を無駄にしてはいないか?
他人の目ばかり気にしていないか?
本当にすべきことに全力を注いでいるか?
Contents
アホと戦わない方法、無駄な戦いを繰り広げる人の特徴

・正義感が強い。
・自信にあふれる。
・責任感が強い。
・プライドが高い。
・おせっかい。
どれも持っていたほうが良い特徴ではあり、ないよりはあったほうがいいのだが、これらのプラスの特徴があるがゆえにアホと戦うことになってしまうことになる、ということだ。
これらすべてを持っていたとして、その人全員がアホと戦うようになるわけではないが、当てはまる人は気をつけよう。
正義感で見ると、物事を勧善懲悪で考えしまう人はアホと戦う可能性が高くなる。
それは、「これが正しい」と言い切ることができてしまうからだと思う。
ゆえにいわゆるアホを間違っていると断罪してしまうのだ。
ドラマのような百戦錬磨の敏腕弁護士を目指すならいざしらず、普通に企業で働く人にとって、そこまで極端な正義は必要ないし、逆に人間関係の邪魔になる。
100%正しく生きられる人はいないわけで、それはあなたも同じだ。
だから、多少の悪を見逃すような順応性は持っていたほうが、余計な戦いをしないで済むだろう。
アホと戦わない方法、カッときたら幽体離脱

怒りが込みあげてきたときに、自分を上から3D映像で客観的に観察するという手法は、自分のものにするのに時間はかかるが、できるようになったら非常に有効だ。
要は、カッとなったときに自分の気持ちを落ち着けるため、幽体離脱するように自分の身体を上から客観的に見ようということだ。俯瞰で見る、という表現でも良い。
私の何かイラっとすることがあったときは、前々から俯瞰で見ることを実践している。
名著「7つの習慣」に書かれていたことで、刺激と反応のあいだには選択する余地があり、誰かの言ったことに対してイラついて即反応してしまってはいけないとあった。
まず自分を客観的に見て、例えばムカつくことを言った相手はどうしてそんなことを言ったのか、どのような視点で物事を見ているか、など一度状況を冷静に分析してみることが大事なのだ。
ただすべてに反応しているだけでは動物である。人間も動物であるが、人間は自覚するという能力を持った唯一の動物であるから、刺激を受けたときにどんな反応をするか選択するべきだ。
幽体離脱したように自分を俯瞰で見ると、大抵、自分はなぜこんなことで怒っていたのか、と思うことが多い。
これを身につけると、世の中のことはほとんど怒るに値しないことばかりだし、怒らなければ他のプラスの感情が生まれてくることを体感できるだろう。
世の中は俯瞰で見れば幸せな世界だ。人間の歪んだフィルターで見た場合に、世界は不幸なものに映ったりする。
常に自分を俯瞰で見るクセをつけることで、余計な戦いをしなくて済むようになるから、是非試してほしい。
アホと戦わない方法、腰の低い人ほどデキる

腰を低くしてフレンドリーにすれば適はできないし、応援者は増える可能性が高い。もちろん、生意気な態度でも成功する経営者やスポーツ選手はいるが彼らがもっと腰が低ければさらにどれだけ成功できただろうか?
これを読んでパッと頭に浮かんだのが、なぜかボクシングの亀田兄弟だった。
彼らは完全なヒール役として登場し、世間の大批判を浴びながらその名を売っていった。
あれはあれで有名になるためのひとつの方法かもしれない。
だが、あのような世間から厳しい目で見られる立場に置くと、ひとつ問題がある。何かあったときに誰も助けてくれない、ということだ。
亀田兄弟は実力でのし上がっていったが、試合で反則行為をしたとき、世間から批判の集中砲火を浴びた。あたかも世間がバッシングするタイミングを待っていたかのようにこれでもかと叩いたのだ。
マスコミもこういったネタは話題になりやすく、ある意味おいしいネタだっただろう。だから、しばらくこの騒動は続いたと記憶している。
そのとき、誰か彼らを助けただろうか。
身近な人間は彼らを助けたかもしれない。しかし世間一般の人で亀田兄弟をかばった人は誰ひとりいなかったのではないか。
今では、彼らはジムの社長などになり、すっかり丸くなっている。元々そういう人格だったとも言えるだろう。
ヒール役を演じたから有名になったわけだが、彼らの実力からすれば腰の低いボクサーでも勝ち進むことで同じように有名になり、人気を得たのではないかと思えるのだ。
今となってはわからないことだが、腰の低い亀田兄弟だったら、とてつもない人気を得て国民的スターになっていた可能性も十分ある。
こういった具合に、腰が高い腰が低いということの差は、いざとなったとき助けてくれる人がいるかどうか、だと思う。
人はひとりでは生きていけない。
知らず知らずのうち、誰かの助けをもらっているはずだ。
今の自分は、腰が高いのか低いのか、一度見つめ直してみるといいだろう。
自分の人生に満足できるかどうかがすべて

最後に自分の人生に満足できるかどうかを考えるときの、問いかけの言葉を紹介して締めるとしよう。
ひとりになれるならどんな場所でも良いとのこと。
ジョギング中でもいいし、トイレや風呂でもいい。とにかく自分の心に問いかけ、その答えをじっくりと探ることが必要なのだ。
「お前は本当に今のままでいいのか?」
「本当は何がしたいんだ?」
「お前の中で一番大切なものは、価値は、何なんだ?」
「今、全力を尽くしているか?」
「怠けていないか?」
「本当にその仕事が好きなのか?」

頭に来てもアホとは戦うな! 人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法
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