【書評】ブロックチェーンのことはこれ一冊で充分!『アフター・ビットコイン 中島真志著』を読んだ感想。

アフター・ビットコインを書評するPANDA
 
パンダ
ビットコインのことを知りたい人にこの本がオススメ!

最近、ブロックチェーンや仮想通貨の関連本は、数多く出版されていますが、「これさえ読んでおけばOK!」という本をご紹介します。

著者の経歴は以下の通り。

中島真志(なかじま・まさし)
1958年生まれ。81年一橋大学法学部卒業。同年日本銀行入行。調査統計局、金融研究所、国際局、金融機構局、国際決済銀行(BIS)などを経て、麗澤大学経済学部教授。博士(経済学)。単著に『外為決済とCLS銀行』、『SWIFTのすべて』、『入門 企業金融論』、共著に『決済システムのすべて』、『証券決済システムのすべて』、『金融読本』など。決済分野を代表する有識者として、金融庁や全銀ネットの審議会等にも数多く参加。

ビットコインは終わった

「ビットコインは終わった」とキャッチーな言葉で始まるが、著者が言いたいことは、今後は「ブロックチェーンが主役になり、世界を変える」ということだ。

ビットコインは仮想通貨としてなぜ終わりなのか?
1、脆弱性:コイン自体は堅牢だが、保管や流通の管理システムが脆弱。
2、偏在性:たった1%のユーザーが、ビットコインの9割を保有。
3、非通貨:通貨として使っているのは、全ユーザーのたった2%
4、投機性:価格変動があまりに激しく、通貨として使うには不適当。
5、集中性:全取引の94%が中国元で、ドル・ユーロ・円はごく僅か。
6、崩壊性:リワード半減・分裂騒動・政府介入が招く「ラストデイ」

上記にあるように、ビットコインには様々な問題があるが、ビットコイン自体の優位性がすぐになくなるとは私は思わない。

ほとんどの取引所がBTC建ての取引が可能で、これをすぐにひっくり返すのは現実的には難しいと思う。

ただ、送金詰まりの問題等もあり、数年後はビットコインの優位性に変化が生じているかもしれない。

それまでは、ビットコインが基軸であることは変わらず、ビットコインの値動きに合わせて仮想通貨全体が動くことはしばらく続くだろう。

ブロックチェーンこそ次世代のコア技術

「これは本物の技術だ!」
「インターネット以来の最大の発明だ!」
「金融を根本から変革するポテンシャルを持っている」

パンダ
金融界の人たちはブロックチェーンをべた褒めだな。

ビットコインは、あくまでブロックチェーンの最初の実用例であって、今後、ブロックチェーンは様々なことに使われていくと考えられている。

金融、証券決済、国際送金、これだけでなく、今後ありとあらゆるものに、ブロックチェーンが活用されていくことだろう。

ここでブロックチェーンの類系を見てみよう。

ブロックチェーンには、「オープン型」と「クローズド型」の大きく分けて2つの類型がある。

  オープン型 クローズド型
取引参加者の制限 なし

(自由に参加可)

あり

(特定の範囲の参加者のみ)

取引承認への参加の制限 なし

(自由に参加可)

あり

(特定の範囲の参加者のみ)

中央管理者の存在 なし

(プログラムが規定)

あり

(全体をコントロール)

ネットワークへの参加 自由 承認が必要
別の呼び方 パブリック型

許可不要型

プライベート型

許可型

利用例 仮想通貨(BTCなど) 金融界での実証実験

このため、ビットコインは、ブロックチェーンの使い方としては、実を言えば、かなり特殊な利用例なのです。実用性の面からは、参加者を信頼できる先のみに限定し、中央管理者がスキーム全体をしっかり管理できるクローズド型の方が有用であり、主流となっていく可能性が高いものと考えられます。実際に、現在、金融界で実証実験が行われている多くのプロジェクトでは、そのほとんどがクローズド型のスキームを採用しています。

引用にあるように、銀行などの実証実験では、クローズド型を採用しているとのこと。

ブロックチェーンや仮想通貨のことをなんとなく不安に思っている人にとっては、クローズド型で特定の参加者しか入れない方が安心するだろう。

例えば、今の銀行預金がオープン型で、誰でも自由に参加できます、というものだったら、人は銀行にお金を預けただろうか?

ブロックチェーンによる国際送金革命

国際送金、ここで出て来るのがあの仮想通貨「リップル(XRP)」だ。

現在国際送金には、「SWIFT(スイフト)」が利用されているが、送金に日数がかかったり、手数料をやたらと取られたり、など利便性は高くない。

そんな中、リップル社は、安くて早い国際送金を目指すためのプロジェクト、「リップル・プロジェクト」を立ち上げている。

リップルの取り組みには、大手銀行も参加を始めていますが、日本からも三菱東京UFJ銀行やみずほ銀行などのメガバンクも参加しています。

銀行は腰が重いと私は思っているので、時代の先を行こうとする行動に驚きを覚えた。

銀行業務はAIやブロックチェーンで奪われると予想されているで、銀行関係者は相当危機感を持っている証拠かもしれない。

印紙を使った「ゲゼルのスタンプ付き紙幣」

印紙を使った「ゲゼルのスタンプ付き紙幣
実は、通貨にマイナス金利を付けるというアイデアは、ドイツの経済学者であった、シルビオ。ゲゼルが、かつて1920年代に提案しています。ゲゼルが考案したのは「スタンプ付き紙幣」と呼ばれる方式でした。これは、紙幣の所有者が郵便局などで印紙(スタンプ)を購入し、毎月をそれを貼らなければ紙幣としての価値を保持できないようにしたものです。つまり時間がたつと、印紙代の分だけ紙幣の価値が低下していきますので、いわばその分の「マイナス金利」が付いた通貨となります。印紙代は、一週間で額面の0.1%、年率で5.2%に設定されました――。

これすばらしいアイデアだと思いませんか。価値がどんどん下がるのであれば、人はお金を使うようになり、するとお金がまわりやすくなり経済の回転が早くなるというメリットがあります。

今、日本の問題のひとつに「金余り」があり、お金が停滞している状態だ。

これがこのスタンプ付き紙幣があれば、一気に解決できる。

この案は、物理的に紙幣にスタンプを押すというものだったが、今は「仮想通貨」がある。

「仮想通貨」と「ブロックチェーン」を使えば、ゲゼルの案が今になって活きてくる。

これを1920年代に考えていたことに脱帽した。

 

本書ではこのほかにも、中央銀行がデジタル通貨を発行する可能性についてや、ゴールドマン・サックスによる特許出願の動きなど、様々な事例を紹介している。

この本さえ読めば、「ブロックチェーン」と「仮想通貨」について知ることができるので、一般的な知識としてはこれで十分だ。

気になる方は是非。

パンダ
数年後、どの通貨が残るかなぁ。

【書評】『これからを稼ごう 仮想通貨と未来のお金の話 堀江貴文著』ビットコインの行く末を知りたい人へのオススメ本。

2018.07.21

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