
今回は今年読んだ本を独断と偏見でランキングしてみた。
本選びの参考になればと思う。
尚、本に順位をつけるというのはあまり好きではない。
本の評価というのは、その人の本を読むときの状況や感情によって大きく左右される。
基本的にどんな本もタメになるものなのだ。
こういった話をするといつもこの言葉を思い出す。
だがね君――面白い、面白くないという君の尺度にもよるが、だいたいこの世に面白くない本などはない。どんな本でも面白いのだ。
これは京極夏彦著の「姑獲鳥の夏」の中での主人公、京極堂の台詞である。
要は楽しんで読もうと思えばどんな本でもおもしろく、楽しんで読もうという気がなければどんな本もつまらなくなる。
どうせ読むならば、その本から何かを得なければ損だろう。
ならば本を読むときは、一文でもいいから心に残る言葉を見つけて、それを今後の人生に活かそうという気概が大事なのである。
そういった意味で、この記事が少しでも本選びの参考になれば幸いである。
それではオススメ本トップ10を発表しよう。
Contents
- 1 オススメ本第1位 分断を生むエジソン 北野唯我
- 2 オススメ本第2位 天才を殺す凡人 北野唯我
- 3 オススメ本第3位 ファクトフルネス FACTFULNESS ハンス・ロスリング他
- 4 オススメ本第4位 読みたいことを、書けばいい。人生が変わるシンプルな文章術 田中泰延
- 5 オススメ本第5位 実験思考 光本勇介
- 6 オススメ本第6位 メモの魔力 前田裕二
- 7 オススメ本第7位 ハートドリブン 塩田元規
- 8 オススメ本第8位 ブチ抜く力 一つのことに魂を売れ! 与沢翼
- 9 オススメ本第9位 ストロング本能 人生を後悔しない「自分だけのものさし」青木真也
- 10 オススメ本第10位 居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書 東畑開人
- 11 おわりに
オススメ本第1位 分断を生むエジソン 北野唯我
私が本をランキングする場合に何を尺度とするかというと、自分の心がどれだけ揺さぶられたかという点である。
その意味で「分断を生むエジソン」は断トツで1位だった。
まずタイトルが秀逸である。
北野氏は人の目を引く言葉を使うことが非常にうまい。
内容については、ストーリー仕立てとなっているが、他の本とは異なった切り口で読者の心に訴えかけてくるのだ。
それが心に刺さるかどうかは人それぞれだろう。
こういったタイプの本は稀有である。
ゆえに、この本は評価がわかれるはずだ。
日々、自分の仕事や人生について考えに考え悩み苦しんでいる人には深く刺さるだろう。
そうでない人には何も刺さらないかもしれない。
苦しみを知った人が読めば、登場人物たちに自分を投影させ、共感することができるはずだ。
また、自分が成長したときにこの本を読み返したら、きっと違った感想を持つはずだ。
オススメ本第2位 天才を殺す凡人 北野唯我
第2位も北野氏の本になってしまった。
こういったランキングの場合、なるべく同じ作家は選ばないようにと考えているが、今年はどうあっても北野氏の本を選ばざるを得なかった。
それだけ氏の本は、他の本とは一線を画していたのだ。
本書では「天才を殺す凡人」など会社でそれぞれの役割を表す言葉が多く出てくる。
その中にきっと自分を見るだろうし、それぞれに誰かを当てはめて読むことになるだろう。
そして、自分は一体どの役割でいることが正解なのか、について考えるはずだ。
また、自分の中にある「天才」「秀才」「凡人」にも気づくはずだ。
今後の人生や仕事の仕方について考えることになるだろう。
オススメ本第3位 ファクトフルネス FACTFULNESS ハンス・ロスリング他
世の中、悪いニュースばかりで世界はどんどん悪くなっていると感じるだろう。
だが、本書はそういった思い込みをただしてくれる。
こまかなデータで世界がどれだけ良い方向に向かっているかを知ることができる。
メディアは視聴者の目を引くために、大袈裟に報道する。
それに踊らされてはいけない。
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
オススメ本第4位 読みたいことを、書けばいい。人生が変わるシンプルな文章術 田中泰延
本書は書くことに悩んでいる人にオススメの本である。
書くということに関してのハードルを下げ、自由に表現していいという許しを得たような気になるだろう。
著者の人柄もよく出ており、ユーモアに富んだ内容になっている。
書けない、と思ったらまず本書を読んでみると良いだろう。
オススメ本第5位 実験思考 光本勇介
本書はまさに実験である。
支払いは後払い形式で、価格は自由に決めることができるというもの。
結果、1.5カ月で1億円を集めることができた。実験は成功と言えるだろう。
こういった実験的な手法はとてもワクワクする。そういった意味でもランキングに入れさせていただいた。
内容も、光本氏が作ったアプリの開発の経緯等が書かれており、おもしろいものだった。
こういったチャレンジ精神を持った人が多くいれば、日本はまだまだ大丈夫だろうと思う。
オススメ本第6位 メモの魔力 前田裕二
本書の発売は2018年だが、年末の発売だったため今回は2019年にランキングに入れてみた。
現在すでに50万部を売り上げているとのこと。
メモをすることで人生が変わるという内容だが、これは誰にでもできることで、継続できるかどうかがポイントである。
誰もがほぼ凡人であるから、圧倒的なメモ量で人生を変えることができるのならばお安いものではないか、と思う。
人生を変えたいなら本書を読み、メモについて学ぶのもありだろう。
本書の影響でおそらく、モレスキンの売り上げも上がっていると思われる……。
オススメ本第7位 ハートドリブン 塩田元規
本書では、感情を丁寧に扱おう、という点について語られている。
現代社会、情報に埋もれてしまい、自分自身の感情の行方を見失っている人は多いはずだ。
本書を読み、自分の感情について考える時間を取ると良いだろう。
何か悩みがありそれがずっと心の中に居座っているような人にオススメの本である。
オススメ本第8位 ブチ抜く力 一つのことに魂を売れ! 与沢翼
本書は、「秒速の男」と呼ばれている与沢翼氏による本である。
氏は一度表舞台から姿を消したが、不死鳥の如く復活し、現在では資産70億円と言われている。
氏が成功のポイントとしてあげていることは、「とにかく継続すること」である。
一度目標を決めたら成功するまであきらめないということだ。
氏のように何億も稼げるようになるかはわからないが、ブチ抜く力を持ちたい人にオススメの本である。
オススメ本第9位 ストロング本能 人生を後悔しない「自分だけのものさし」青木真也
本書は格闘家である青木真也氏の著書である。
内容は格闘家と思えないほど繊細な内容になっている。
青木氏も試合の前は怖いそうである。
その怖さとどう向き合うかがその人を表すことになるのだと思う。
老害にはなるな、いつでも若者が正しい、など氏のニュートラルな考え方にきっと舌を巻くはずだ。
オススメ本第10位 居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書 東畑開人
沖縄の精神科クリニックで働くことになった主人公が、「ケア」と「セラピー」について考えながら働くというストーリーだが、それをおもしろおかしく語っている点が本書の特徴だ。
医療に従事する人が読めば参考になるだろうし、そうでない一般の人でも楽しめる内容になっている。
主人公はここで働くことに葛藤や悩みを抱えながら、「ただ居ること」について考える。
「居る」ということについて深く考えさせられる良書である。
おわりに
今年を振り返ると色々と重なったこともあり、本を読む時間が少なくなってしまったことが反省点である。
2020年は読書の時間をしっかり確保し、タメになる書評をアップしていきたいと思う。
2020年はどんな年になるだろうか。
オリンピックもあり、また慌ただしい一年になりそうだ。
